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わがふるさとと愛媛学   ~平成5年度 愛媛学セミナー集録~

2 郷土の民謡を調べる

 民謡というのは、本来、地域の人々の生活・作業と結び付いて生まれたもので、仕事の能率を上げたり、単調な共同作業の気持ちを盛り上げたり、退屈しのぎに歌ったり、それぞれ自分の歌を持っていた(今のカラオケみたいなもの)。そのため、同じ作業歌でも、歌う人や土地によって、旋律や文句がそれぞれ違う所に特色がある。だからこそ、民謡には、ふるさとのにおい、生活の知恵、温もりがある。
 郷土の民謡を調べてみると、越智郡や今治市にも、数多くの「ふるさとの歌」(あえて「民謡」とは言わない。)があった。土地の香りのする「ふるさとの歌」は、歌の文句は残っているが、音としてはほとんど保存・記録されていない。生活の変化とともに、誠に残念なことだが、ほとんど消えてしまった。これが「ふるさとの歌」の宿命なのだろうか。