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わがふるさとと愛媛学Ⅲ ~平成 7年度 愛媛学セミナー集録~

◇真珠母貝の貝柱はおいしい(新しい郷土料理の素材に)

 先ほど、河内屋さんと島原さんから食べ物のお話がありましたので、私も真珠の食べ物の話をします。
 アコヤ貝の貝柱を御存じだと思いますが、昔はほとんど自家消費で、養殖屋さんが関係のある所にお使い物に使ったり、従業員に配ったりという程度で、一般にはあまり出していませんでした。
 私どもも、昭和30年代の終わりころ、あまり手も入れずにただ貝殻から外しただけの貝柱を、一度市場へ出したことがありますが、見かけも汚かったせいか、だれも買い手がなくて夕方まで売れませんでした。最終的には、1貫目を5円で引き取ってもらいましたが、手間賃もないので、「これはやめてしまえ。全部捨てろ。」ということで、貝殻にくっつけたまま捨てておりました。
 ところが、昭和42年(1967年)から真珠の景気が悪くなって、赤字が出るものですから、「1円でも2円でも、金になるものは無駄にしない。」という考えで、貝柱を扱っている所はないかと真剣に探しました。そうしますと、やはり三重県が近いせいでしょうか、名古屋の市場が、大量に、しかもいい値段で扱っておりました。今、貝柱の値段は、だいたい1kgで2000円前後ですが、その当時で1kgが1000円ぐらいしたと思います。
 宇和島は、真珠の生産が日本一ですから、当然アコヤ貝の貝柱の生産も一番多いはずです。先ほど郷土料理のお話もありましたけれども、いろいろ料理の仕方がありますので、特別な物を工夫していただいて、これをぜひ郷土料理の材料として取り上げていただき、「日本一の真珠生産地、宇和島に行ったら、貝柱のうまいのが食べられる。」というようになっていただきたいと思っております。
 以上でございます。どうもありがとうございました。