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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業23ー松山市①ー(令和4年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第2節 醸造業と人々のくらし

 旧北条(ほうじょう)市の工業は、戦前、昭和13年(1938年)に竣工した倉敷紡績(現クラボウ)北条工場による繊維工業のほかは、伊予かすり工業・製瓦業・醸造業(酒、醬油(しょうゆ)など)などの家内工業的なものが中心で、そのほかは日常雑品を生産する程度であった。戦後も旧北条市の工業は、伊予かすりは衰退したものの、長らく繊維工業・製瓦業・醸造業が主体であった。その後、製瓦業者・醸造業者数は減少し、現在ではそれぞれ数社を残すのみとなった。平成25年(2013年)6月には倉敷紡績北条工場が閉鎖された一方、北条バイパス(平成14年〔2002年〕4月に全線開通)沿いに、大規模な工業団地が造成されるなど、近年、旧北条市の工業状況は変化を見せている。
 本節では、旧北条市の醸造業者の1社である忽那醸造の醬油作りについて、Aさん(昭和23年生まれ)から話を聞いた。