データベース『えひめの記憶』
わがふるさとと愛媛学 ~平成5年度 愛媛学セミナー集録~
2 佐田岬半島の風土と人々
(1)段々畑と汗にまみれた労働の積み重ね
くらしは本当に大変で、皆が汗にまみれて働くところである。
(2)女性の働きが生活を支える
男は皆出稼ぎに行き、女性が日々の生活を支える。このような水も担いで運ぶ。
強風を防ぐための石垣は、緑泥変岩でできている。
(3)明るい人々
夫が出稼ぎに行って寂しかろうと問うと、「ええ、寂しいわい」と、からっと笑って、明るく働く。
この写真の展示の時に、写った人の家族みんなで見にきてもらって、「かあちゃん、かっこええぞな」と、言ってもらったことは、うれしかった。
(4)海 士
岬半島は、沖縄にもつながる海士(男性による潜水漁業)で有名である。
このおじいさんは、子供のころから潜り、朝鮮半島にも櫓一本で出漁したその鍛えぬかれた顔は、海の王者の風格がある。
(5)路地が生活の場所
家が密集しているため、路地が人々の団欒と行ききの場所となる。家の中が暗いため、食事も外にゴザを敷いて食べる。
(6)牛はお宝
この川之浜は、江戸時代からの牛馬の放牧で有名である。子供は餓鬼で、牛はお宝と言われた。売りにだすのに船に乗せる時には、牛も離れるのがわかるのか嫌がった。このような風景も、昭和40年ころを境になくなった。