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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業27-松野町-(令和6年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第2章 松野町の産業と人々のくらし

 松野(まつの)町は、鬼ヶ城山系や戸祇御前山系など標高900m~1,200m級の山々に囲まれており、町の総面積は98.45㎢で、そのうち約84%が山林原野に占められている。急峻な地形が多く、わずかな耕地や宅地は広見川と目黒川流域に開けている。平地の主なものは河岸段丘であり、そのほかには若干の台地や丘陵、小さな扇状地、人為的に開発された山麓の開墾地がある。山麓の開墾地は、耕地の少ない松野町の農民が生きるために自らの手で作り出した平地である。町を流れる広見川と目黒川は、日本最後の清流といわれる四万十川の支流であり、アユ、ウナギ、川ガニの宝庫として知られている。松野町の基幹産業は農業で、主要作物の水稲をはじめ、モモ、ユズ、ウメ、茶などの振興にも力を入れている。
 本章では、松野町の人々の、地域の産業や文化とともにあったくらしや思いについて、その一端を明らかにした。