この章では、古代から中世に至る遍路前史ともいえる時代に、四国遍路がどのようにしておこったかを探るとともに、近世(江戸時代)に、四国遍路が次第にその形を整え、巡礼者が一部の宗教者たちから一般庶民へと拡大していく過程を明らかにし、近世以前の四国遍路の状況について学術整理を試みる。