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中山町誌

一、 制定の背景

 我が国経済が著しい成長を遂げる過程で、「飽食」の言葉に象徴されるように、食料を大切にする気持ちが薄れると共に、農業者の側でも農業に対する誇りと自信に揺らぎがみられる。こうした中で、より高い所得が得られる他産業への就職機会の拡大や、農業経営に創意・工夫が十分に生かしえないこと、休日制、給料制の仕組みの欠如など労働条件面の遅れが問題となっている。これらの点や農村地域での生活環境整備の立ち遅れなどから、農業に魅力を失った青年層が非農業部門に流出し、人材確保の面で深刻な状況に直面している。
 このような様々な問題を打開し、農業経営に意欲と能力のある人材を確保していくために、それを行うものが、その持てる力を十分に発揮することによって所得を増大させることができ、経営の面白さや心の充足感を得ることができる条件を早急に整備することが必要になってきた。
 そのために、地域の意向を反映した形で、育成すべき経営体と土地利用の在り方を明確化すると共に、それの実現に向けての施策の集中化・重点化を図らなければならない。その際、将来にわたり広範に存在するであろう土地持ち非農家、兼業農家、さらには高齢農家などの役割分担の明確化を図ることが重要である。そして国民的視点に立って、新鮮・良質かつ安全な農産物を、安定供給するための努力を引き続き積み重ねていく必要がある。

表1-9 新規学卒就農者及び離職就農者(Uターン就農者)数の推移

表1-9 新規学卒就農者及び離職就農者(Uターン就農者)数の推移