データベース『えひめの記憶』
中山町誌
第四節 町民の将来志向について
以上中山町の歴史を振り返ってみた。国、県の大きな流れと共に、町も日進月歩の進展を続けてきた。戦後からの変容は目を見張るばかりである。夢多い順風満帆の時もあり、前途厳しく苦難に堪えつつ進んだ一時期もあった。現在はどうか? この評価は大変難しい。人それぞれに観点が違うからいろいろな論が出るだろう。とにかく稀有の大躍進を果たしていることだけは異論があるまい。公的諸施設・設備において、また産業振興施策の諸事業において、教育文化・交通運輸・福祉面どれを取っても限りある町財政に対しては最高といえる現在である。この時に当たり、少年、青壮年、婦人、高齢者各界層から中山町の将来に対しての夢、希望を募った。「町がこんなになってほしい。こんなことに向かって努力してほしい、そしてこんな町にはならぬよう」というアンケートの回答を以下に掲載する。
郷土を愛する切なる声について、一〇年、二〇年後どのように進展、変容するか町民一人ひとりの責任と思って協力し合い、可能な努力を投じてみたいものである(回答内容の是非は別にして原文に沿って掲載していることをご了承いただきたい)。
○ 中学生
自然が多く残る豊かさ溢れる中山に
自然を生かした産業を振興してほしい
多くの人が訪れてくれる観光地に
町民に、来訪者に親しんで貰える公園づくり
名産物、特産品を作る意欲のある町
過疎化を止める努力する町
老人を大切にする町
子供の遊び場のある町
若人が残ってくれる町
△自然破壊が過ぎる。河川護岸工事はやり過ぎ
△緑の美しさを伸ばせ守れ
○ 高校生
中山の名産椎茸を日本一の特産品になるよう
公園・憩の場を作れ
若者が多く住みつく町に
遊園地、テニスコート等慰安、レクリェーションの場を
商店街等も近代的にきれいな町に
イベントを盛大に楽しく人が集まる町に
町営住宅に安く入れるよう
差別の無い町に
△過疎高齢者の町
△さびれた田舎くさい町
△中山高校がどこかの分校にはならぬよう
○ 青壮年
人が集るような施設を工夫せよ
交通の便をよくして町民が動き易いように
男の働く企業、住める安い住宅
高齢者が安心して住める福祉の町
町内全域にレジャー施設を(中央に片寄るな)
よいイベントを開催し、中山町が有名になるよう
住宅地を安くする努力
子供、若者、高齢者が喜ぶ施設を作れ
クラフトセンター、遊栗館はよい施設。これを活かせ
老人ホームをつくり若者の定住意欲を高め
図書館や自由に使えるレジャー施設、町営プール、テニスコートを
結婚しても働き易い職場に(女性を守れ)
各団体が講演会等をよく開くがこれが実るような工夫
△過疎化を止めたい
△魅力のないさびれた町はいや
△保守的すぎる町
△一〇年二〇年見越した町づくりを
△通過町になるな
○ 婦人
町のシンボル〔鮮度一〇〇、自然も 味覚も 人情も〕を他の地域ヘアピールせよ。そして都会の人がレジャーに来てくれるように工夫
町を宣伝する絵はがきを作っては
自然農園、モデル畑を作り県下に先がけた農業経営を
山間地を有効利用、避暑地等に
栗の里公園を楽しいレジャー場に、テニスコートも
都会の人の農場を作り、収穫を共に祝う企画
観光もよいが慰安を主とし、何度でも来て楽しんでくれる場に
隣町のぶどう狩のように観光慰安農地を奨励せよ
土地を安く、若者が住んでみようという気を持たせる
老人でも働ける、収入の得られる町・企業を
女性が進出できる町
現在ある休んでいる施設の有効利用
三世代同居の美風を進める町
△高齢者ばかりの古い町
△取り残された町
○ 高齢者
高齢者、婦人等に足の利便を、デイサービス車を利用して日を決めて各地区から病院、憩の家等へ運ぶ便を
四季折々に中山町へ来てくれる遊園地にする企画
多くの町民の建設的な意見が集められる方策を
若者の働ける企業を。働く場を共に探してやる窓口を
老人ホームを
町の努力方針がわかり易く町民に知らされる企画
中山町在住で松山方面へ通勤する人の利便をはかる努力
先祖(父母)の努力を受け継ぐ堅実な生き方の研修等を考える企画
△若者が好まない地域のしきたりを改善し住み易い町にしたい
△通過町とならないよう。意欲の乏しい町にならないように
このような意見があったので、一つひとつ検討したい
ものである。