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わがふるさとと愛媛学Ⅲ ~平成 7年度 愛媛学セミナー集録~

◇「チョウの島」づくりへの活動から

 ですが、資金というものは全くございません。まずは何をしたかと言いますと、生息地に案内板を立てよう。それから島ですから、桟橋、港務所があります。港務所に、チョウの島の看板をぶら下げよう。これは業者に見積もらせますと、35万円。で、5時に仕事が終わりますと、集合して、1戸1戸、募金運動をいたしました。そしてメンバーの中に、「35万円集まらなかったらどうするんだ。」という声も出ましたけれども、その時には、お返しして回ろうと決めました。だけれども35万円はなんとか確保しようということで、約1ヵ月以上で、全戸を回りました。その結果が、倍の70万円という募金が集まりました。それで予定通り、皆さんの募金から、案内板と看板を立てることができました。
 しかし、それだけでは自然保護団体だけの会になる。「チョウの島」づくりには、どうしたらいいだろうか。将来性も考えたところ、「チョウグッズ」を作ろうということになりました。幸いにも、島には土産品というのが一切なかったわけです。それで最初は「土産品でいいや。」ということの発想から、簡単な、できるだけ手作りの土産品を作ろうというところで始まったわけですけれども、現在では蝶グッズも11品目あります。現在(平成7年9月)製作中なのは、ドアベルです。そうしながら、今日があるわけですけれども、まだまだ完成・終了しているわけではございません。
 ここでクロツバメシジミというのは、どういうチョウなのかということを、少し紹介させていただいたらと思います。羽(はね)を広げた状態で、約2.5cmです。特徴と言いますと、それが名前の由来になっているわけですけれども、まず「クロ」というのは、羽の表が黒いという意味です。それから「ツバメ」というのは、後ろの羽に突起があります。これが鳥で言いますとツバメの尾羽(おばね)の形ということで、鳥の名前の「ツバメ」がつきます。それで「シジミ」というのは、「シジミ貝」、御存じと思いますが、要するに「小さい」ということなんです。それでクロツバメシジミということです。
 分布は、主に西日本各地に局地的、つまり、ごく限られた場所にしかいないというわけです。
 クロツバメシジミには、山のクロツバメシジミ、海のクロツバメシジミというのがありまして、海のものと言いますのは、朝鮮半島から長崎県対馬に渡りまして、それから九州に入り、そこから西日本に移行したと言われております。それで山のものは、従来から日本にいたのではないかという種のものです。これもだんだん環境悪化によりまして、生息地が減少しつつある種として、ランクでは下のほうですが環境庁の「レッドデータブック」(絶滅のおそれのある野生生物の一覧)に載っております。
 クロツバメシジミの幼虫には食草がいるわけです。ツメレンゲと言いまして、所によっては、屋根の上に生えるペンペン草と言われたりしますけれども、多肉種であります。このツメレンゲも多くは自生していません。そこでクロツバメシジミの飼育増殖のために必要な食草ツメレンゲの種からの発芽を続けております。