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わがふるさとと愛媛学Ⅲ ~平成7年度 愛媛学セミナー集録~

◇クロツバメシジミ発見から「蝶を育てる島の会」の発足まで

 皆さんの前にパンフレットがあると思いますが、関前村は、大下(おおげ)島、小大下(こおおげ)島、岡村島の3島よりなっています。この島で私も46年間生活をしております。そんな折、岡村島の海岸線のがけ場で、平成元年(1989年)11月8日にクロツバメシジミという小さなチョウを発見しました。これをなんとかする方法はないかというふうに、すぐに思いました。関前村は産業としましては、ミカン栽培、それから漁業でありまして、それまでこれといった珍しいものはなかったわけです。これをきっかけに、「チョウの島」づくりを手掛けてはどうかと考えたわけです。全く新しい島の顔づくりをするわけです。
 このことは、いわゆる山林から開墾して、畑にするのと同じ意味があるわけです。難しいとは思いながら、考えてみれば全国の観光地も、実は「たかが」を付ければ「たかが」のものになってしまう。例えばこの中に、東尋坊(とうじんぼう)に行かれた方はわかると思いますが、「たかが」を付ければ、ただの岸壁です。同じ考えから「たかがチョウでもチョウの島づくりはできるのではないか。」というところから、会の発足のきっかけになりました。