データベース『えひめの記憶』
面河村誌
(一) 新制中学校
終戦後新しく制定された教育基本法に添って、学校教育の体制を改めるために学校教育法が米国教育使節団の勧告と終戦後の新教育への要望、そして占領下という条件の下に、あらゆる困難を押し切って成立した。
新しい学校の体系は、いわゆる六・三・三・四制であって、小学校六年・中学校三年・高等学校三年・大学四年とその上に大学院を設けるものである。このことによって教育の機会均等を図り、単線型学制とし、義務教育は一挙に九年に延長されることになった。
義務教育九年は、従来の小学校六年間と新しく制度化された中学校(新制中学校)三年間である。
これが、昭和二十二年四月より実施され新制中学校が誕生した。
面河中学校
昭和二十二年四月一日学制改革により面河村内唯一の中学校として学級数五学級で、面河村大字杣野に創立される(八幡神社下の建物を仮校舎とする)。学級数五学級
同二十三年三月三十一日二学級増加認可されて七学級となる。
同二十四年四月一日学級増加認可されて八学級となる。十月十七日普通教室一〇教室二階建て新校舎を渋草小学校南側に建築落成する。
同二十五年二月拡声機購入する。同年三月二学級減となり六学級となる。
同二十七年学級数七、教員一一名
同二十八年四月学校林を設定し、植林を開始する。
同三十二年学級数六、教員一〇名となる。
同三十三年三月七日特別校舎新築落成する。(理科室・同準備室・被服室・調理室・校長室・職員室・宿直室・湯沸室・便所・地下室)工費七四〇万円
同三十三年十月郡PTA研究大会を開催する。
同三十四年野球バックネット完成。校旗を制定する。
同三十五年二月寄宿舎完成する。(舎監室一・舎生室八・食堂・炊事場・浴場・便所・炊事婦休養室)
同三十六年学級数八、教員一三名となる。
同三十七年学級数九、教員一四名となる。
同三十八年一月二十八日積当のため遠距離通学生を寄宿舎へ五五名、被服室・校長室へ七五名、正円寺ヘ一○名を四〇日間泊まらせる。
同三十八年学級数八、教員一三名となる。
同年六月愛大教育学部付属中学校生、教官四〇名学校を参観する。
同年十二月渋草小学校と合同で給食を行ない完全給食を聞始する。
同三十九年学級数八、教員一四名となる。
同四十年二月四日第一回の少年式を実施する。
同年三月第一回の就職生激励会を実施する。
同年五月教員定数増となり一五名となる。六月図書室を移転し、美術科室と併置する。九月十日プール並びに技術室が落成する。
同四十一年五月交通安全優良校として表彰を受ける。八月プール配水用ポンプ据付工事を行う。
同四十二年学級数七、教員一四名
新一年生に教科書が無償配布される。地下室に更衣室を設置する。七月郡中学校総体でソフト部優勝、県総体に出場する。九月中庭に岩石園、十一月手洗場、旧校舎土間が完成する。
同四十三年学級数六、教員一二名となる。八月旧校舎階下塗装、プールシャワー工事行う。チャイム取付け(松本明重氏寄贈)。十月第一回村内小中合同の写生大会を実施する。
同四十四年本年より中学生全員教科書無償配布となる。音楽室・机・椅子新調する。旧校舎階上塗装並びに屋根ふき替工事を行う。九月「立志」の碑を立てる。十 月郡新人戦にソフトボール、男子バレーボールに優勝する。
同四十五年二月校内通路舗装する。三月学校林に桧一〇〇〇本植
樹する。
同四十五年四月寄宿舎周辺につつじを植樹。十月第二グランド用地を買入る(PTA)。十一月郡新人戦にてソフトボール優勝する。翌年二月渡り廊下完成。三月桧苗五〇〇本、三年生、PTAによって植樹する。
同四十六年郡総体でソフトボール優勝する。放送室建増し、南校舎屋根ふき替え工事完了。第一回廃品回収実施。郡新人戦バレー男子優勝する。校歌を制定(作詞 宇都宮 伯、作曲 亀井英夫)
同四十七年学級数五、教員一一名。五月県教育長学校を視察訪問する。湯沸ガス釜取付け、調理室配管・地下室窓取付工事実施する。PTAにより学校庭園づくり作業を実施する。
同四十八年学級教四、教員一〇名。郡中学校総体でソフト優勝、剣道個人二位入賞。県総体にソフト部、剣道個人に出場する。郡新人戦でバスケット部優勝。北校舎璧、腰板塗裟、被服室内張り工事実施する。
同四十九年学級数三、教員九名。玄関、講堂物置、被服室窓枠サッシ取替え、夜間照明施設工事実施する。
同五十年集会所(講堂)の床張り替え工事を実施する。PTA役員によりマス養殖池作り工事を実施する。郡新人戦でソフトボール部、柔道団体の部で優勝する。
同五十一年LL装置を取り付けLL教室を作る。郡新人戦で、卓球部・柔道個人の部で優勝する。北便所(男子用)改造工事を実施する。
同五十二年郡陸上総体で男子走幅跳、女子八〇〇メートル一位入賞。県総体に卓球。陸上二名出場。北校舎廊下張り替え、屋根ふき替え工事を実施する。郡新人戦にソフトボール部・柔道個人の部で優勝
同五十三年郡総体で卓球部優勝、ソフトボールニ位に入賞する。県総体に卓球部出場、村PTA研究大会を開催(講師 大沢自聚氏)郡新人戦でソフトボール優勝、卓球部・剣道二位に入賞する。
同五十四年南校舎塗裟、プール修理工事を実施する。
通学状況
村内唯一つの中学校であるため、生徒の通学距離は一〇キロを越える地区もある。そのため地域に応じてつぎのようにしている。
バス通学 若山地区(バス代は七一・五%を村費負担)五十四年度八名
自転車 中組・本組・大成・土泥 (交通安全について種々指導を行っている。)二七名
寄宿舎 笠方・石墨 〃 一四名
寄宿舎
寄宿舎、若葉寮は昭和三十五年二月九日に渋草小学校の東に落成する。
寮生活の基本方針
一、学力の向上
二、公的・私的生活の区別と調和
三、自立・自治の基本的生活習慣の確立
寮生の日課表
寮生活のきまり
一、日課表を守る。
二、外出は原則として認めない。
三、服装はくつろぎ服・制服・作業服・ねまきの四種類を用意し、時宜に適したものを着る。
四、寝具はシーツ・布団カバー・枕カバー等の確保と清潔に留意。
五、入浴は全員、夏分は毎日入浴を原則。
六、小づかいは週一〇〇円以内を厳守。
七、帰省は途中で帰省は原則として認めない。帰省するときは帰省願いを提出。
八、部屋替えは学期毎に一回。また必要に応じて行う。清掃分担は週毎に輪番制とする。
九、寮会は週一回(月曜日)大掃除は月に一回行う。
十、日直は各室毎に輪番制で行う。
卒業生の卒業時の状況
過去一〇年間の状況では高校進学者は五四・六%、県内就職者三二・七%、県外就職者一一・二%、村内に残る者はわずか一・五%である。