データベース『えひめの記憶』
久万町誌
七 今後の課題
上浮穴郡は自然の変化に豊んだ美しいものは多いが、スケールが小さい。国道三三号線が改修されたとはいえ、全線二車線のようなもので、時間的な距離の問題は、今後の大きな課題である。また三八〇号線の真弓隧道が完成したとはいっても、三八〇号線全線が改修されてはいない。峠御道はできたが、それから先の岩屋寺、面河渓と結ぶ路線も全線二車線というわけではない。
瀬戸大橋が開通し、高松と高知を結ぶ自動車道ができ、高知へのお客が、むこうにうばわれ、三三号線を通るお客も減少している。
滞在型のレジャー施設としてのラグビー場ができたといえども、小学生以下の子供たちに、魅力ある遊具が少ない。大型のドリームランドがほしい。
国定公園面河渓は、石鎚スカイラインとともにその観光的価値は高くなるであろう。また柳谷の四国カルストも世に出、数年を経ずして多くの観光客が訪れることになろう。久万町はふるさと村と古岩屋だけでなく、美川、面河、柳谷、小田深山への客足を、いかにしてとどめさせるか。文化的なものとしての美術館には、遠来の客があるけれども、いずれも通過型の客に過ぎない。ラグビー場は夏の間だけのもの。また、ラグビー場も一面だけでは、その将来性にも陰りが出はじめるだろう。スキー場にしても、その面積の拡大が望まれる。郡内の各町村と連携を密にし、おのおのがその特色を生かし、四季を通して楽しめる施設設備の完備が望まれる。