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愛媛県史 社会経済5 社 会(昭和63年3月31日発行)

二 農村手工業と村

 藩財政が困窮しても、新田開発が一段落し、年貢の増徴ができないということになると、その打開策としては、年貢以外に新たな財源を求めるほかに方法がなかった。諸藩が国産奨励を積極的に推進し、その利益を吸収しようとしたのはそのためであった。
 他方で、生活の向上などによって、生活用品が多様化するとともに、需要が増大し、それをまかなうために、諸産業が、立地のよい特定地域に集中したり、規模を拡大したり、あるいは新しい手工業が起こったりして、農村社会を変化させることとなる。農村手工業には色々なものがあるが、ここでは、伊予国において代表的な瓦と塩をとりあげ、その生産と流通が、農村社会にどのような影響をもたらしたかをみることにしよう。