データベース『えひめの記憶』
愛媛県史 社会経済2 農林水産(昭和60年3月31日発行)
二 開拓適地調査
現地立入調査実施
開拓可能地分布調査の結果、おおよその目ぼしがつけば、開拓適地選定基準に基づき、自然的、社会的、経済的条件の優位な地位から順次その地区に立ち入り、調査を行ない、適正な総合判断によって適地を確定した。
なお、この調査は、県開拓委員会(後の開拓審議会適地調査部会)も県と一体となり実施した。
例えば、大野ヶ原地区(七四七ha)の調査は、岡田慎吾氏(元愛媛県農業試験場長)の日誌によれば次のとおりである。
調査年月日 昭和二一年七月二六日
調 査 者 菅菊太郎(元松山農業学校長)、永谷信吉(松山測候
所長)、岡田慎吾、二之宮良(元県開拓課係長)ほか
一八人
調査内容 標高一、一〇〇mの高冷地で開拓営農ができるかど
うかを判定するため、現地の未墾地及び試作地調査
(注) 大野ヶ原地区には、二一年五月、開拓増産隊の武田寛氏ほか一五人が、兎
道しかない原始林に入山していた。その目的は、開拓者の養成訓練と食糧
増産のためであり、基地農場として、陸稲(北海早生)、ひえ、あわ、きびの
試作をしていた。(正式入植は二五年からである。)