久万高原町は農林業の盛んな町である。平均標高が800mの高原の地の特性を生かした農業や、広大な山地に広がるスギやヒノキの林産資源を活用した林業が営まれている。また、明治から昭和時代にかけては、水力発電の適地として発電所が柳谷地区に立地し、一部は現在も稼動している。 本節では、林業生産を支えた森林鉄道と、産業や生活の基盤であった水力発電所について、そこで働いていた方々への聞き取り調査を行い、生業を支えた仕事やくらしぶりを探った。