久万高原(くまこうげん)町は、愛媛県のほぼ中央部に位置し、面積は県内20市町の中で最も広い583km²で県の面積の1割を超える。標高が200mから2,000m近くまである山間地域で、寒冷で雨の多い気候である。そして、このような自然条件を生かした農業や林業、電源開発が盛んに行われてきた。 この章では、稲作や野菜の産地化、牛市の活性化に力を尽くした人々や、森林鉄道や水力発電所に従事した人々の、生業とともにあったくらしや思いを明らかにしようとした。