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わがふるさとと愛媛学Ⅴ ~平成9年度 愛媛学セミナー集録~

◇小田町指定天然記念物の巨樹

 次に町指定の天然記念物を説明します。
 まず、昭和57年(1982年)の4月に、町の天然記念物に指定しました、平家伝説が伝わる寺村(てらむら)の清盛寺(せいじょうじ)にあります「八房(やつふさ)の梅」です。これは芽が、強いのか弱いのか分かりませんけれども、老衰をしながら、また再生をしていくというような形で、今、3代目ぐらいになる芽が出ています。
 次に、今年(平成9年)6月に町指定の天然記念物として、宮之谷(みやのたに)の天満神社にあるイチイガシ、町村(まちむら)の八坂神社にあるヒノキ、中川の仏性山(ぶっしょうざん)宝蔵寺(ほうぞうじ)にあるモミ、中川の三島神社にあるカヤ、上川の薬師堂にあるイチョウ、上川にあるアカメヤナギの大木の6点が指定されました。
 特に、上川にあるアカメヤナギは、「八幡河原(はちまんがわら)の夫婦(みょうと)ヤナギ」という名前をつけております。この木以外に、これほどのアカメヤナギの大木が愛媛県にあるかどうか分かりませんが、樹齢500~600年と推定しております。
 このほかにも、細かく申し上げるわけにはいきませんけれども、小田町にはたくさんの古木がありますので、我々文化財保護委員も、一生懸命調査して参りました。その結果、スギは12株、イチイガシも2株、キンモクセイも2株というように、数えていけばたくさんの巨樹・古木が見つかりましたので、また、公民館報などで、お知らせしようと思っております。
 小田に生きる人々のお宮やお寺の森とか、自分たちの身近にある巨樹を大事にしていこう、そして守り続けようという姿勢や態度が、現在のように小田に巨樹・古木が多く残るのに非常に大事なことであったろうと思うわけです。