データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

えひめ、人とモノの流れ(平成19年度)

2 はばたく雉の町

 北宇和(きたうわ)郡鬼北町は愛媛県の南西部に位置し、旧広見(ひろみ)町と旧日吉(ひよし)村が平成17年(2005年)1月に合併して成立した人口約1万2,000人の町である。町内には清流四万十(しまんと)川の最大級の支流である広見川や、足摺宇和海(あしずりうわかい)国立公園に指定されている成川(なるかわ)渓谷などがあり豊かな観光資源に恵まれている。
 鬼北町では平成4年から地域の特産品開発の一貫として「雉肉」に着目してきた。雉は低カロリーであると同時に豊富な栄養価を持つことから、「食鳥の王様」ともいわれ、『徒然草』にもその珍重さが記されるなど古来から優れた食材として知られている。
 当初500羽から始まった生産規模も平成18年度には年間2万羽に迫り、鬼北町は国内最大の生産地となっている。また、県内外の老舗(しにせ)料理店や大手ホテルなどにも販路を拡大し、「鬼北雉」の知名度は年を追うごとに上昇している。
 一連の取組は「きじプロジェクト」と名付けられ、町づくりの突破口として農業公社(*23)「鬼北雉工房」(写真4-2-2 参照)を拠点として展開されてきた。この「きじプロクジェクト」にかける思いやこれまでの経緯を、鬼北町地域振興課長であり、きじプロジェクト事務局長の**さん(昭和25年生まれ)に聞いた。


*23:鬼北町農業公社 農作業の受委託などを行うことにより、農地の保全を図るとともに、農地の担い手の育成、地域資源
  を利活用した特産品の開発等を行い、地域農業の振興、活性化に寄与する目的で平成9年3月に設立された社団法人。


写真4-2-2 鬼北雉工房

写真4-2-2 鬼北雉工房

鬼北延川。平成20年1月撮影