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久万町誌

2 手まり歌

1、正月とえ、障子あければ万才がつづみの音やら歌の声、さあ歌の声
2、二月とえ、神社参りや寺参り、あすは彼岸のお中日、さあお中日
3、三月とえ、桜花にはおひな様、きれいに飾った内裏様、さあ内裏様
4、四月とえ、死んでまた来るお釈迦様、竹のひしゃくで茶々あがれ、さあ茶々あがれ
5、五月とえ、ごんぼしぼりの前かけを、正月結ぼとのけといた、さあのけといた
6、六月とえ、ろくに結ばん前かけを、ころんでよごしてはらがたつ、さあはらがたつ
7、七月とえ、質に入れたり流したり、質屋のおばさん懇切な、さあ懇切な
8、八月とえ、蜂にさされて目が痛い、姉さん薬はないかいな、さあないかいな
9、九月とえ、草の中には菊の花、姉さん一枝折ってんか、さあ折ってんか
10、十月とえ、重箱さげてどこへ行く、おいべっさまのお使いに、さあお使いに

○一かけ二かけ三かけて、四かけて五かけて橋かけて、橋のらんかん腰おろし、はるか向こうを踏むれば、十七、八のねえさんか手には花持ち線香持ち、ねえさんねえさんどこへ行く、わたしは九州鹿児島の西郷隆盛娘です。
 明治一〇年三月に、切腹なされた父上のお墓へ参る途中です。

○おん正正正月は、松たてて、竹たてて、年詞の御用に行きましょう
 おたばこぼん、お茶もてこい、なんぞ吸い物早もてこい
 ひいや、ふうや、みいや、ようや、いつや、むうや、ななや、やあや、ここのや、とう
 とおからおいでたおいも屋さん、おいも一貫はいくらかね、二四文でありますぞ
 もうちいとまからんか、ちゃからかぼん、お前のことなら負けたぎょう
 隣のおばさんちょっとおいで、おいものにころかしこれあげよ
 ひいや、ふうや、みいや、ようや、いつや、むうや、ななや、やあや、ここのや、とう、とうで一回おさめた

○日清談判破裂して、品川乗り出す吾妻艦、続いて金剛、浪速艦、先を行くのは松島艦、玄海灘を乗り越えて、黄海表で敵にあい、砲弾浴びて戦こうて、敵の平遠、定遠撃ち沈め、鎮遠号を捕獲して、めでたく凱旋いたしますこれか戦争のはじめにて、陸上海上大勝利
 ひいや、ふうや、みいや、ようや、いつや、むうや、ななや、やあや、ここのや、とう、とうでとうとう勝ち通し、勝利勝利大勝利

○朝起きた、父さん母さんどこへ行た、馬を引いて牛追うて、奥の山へと草刈りに、わたしゃおうちでお留守番、お留守番
 妹が弟が次から次へと起きてくる、おまんま食べて連れだって、近所のお友だち、お友だちとお宮のお庭で遊びます
 字かくし、葉かくし、手まりつき、ひいや、ふうや、みいや、ようや、いつや、むうや、ななや、やあや、ここのや、とう
 十人寄ったらにぎやかに、大飛び小飛びもできまする、そりゃ大飛び小飛びでおまりがお背なに納まった

○お正月はよいもんじゃ雪のようなまま食べて、木の葉のようなじじ(魚)食べて、お袖の長いべべを着て 羽子板ついてたこ上げて、まりついてこまを回して遊びます、早くこいこいお正月