データベース『えひめの記憶』
中山町誌
五、 三月
社日
社日は、春秋二回あり農村にとっては大切な年中行事であった。春の社日は、立春から第五の戌の日までである。
オイブッサンは、この日朝早く家を出て田畑を見回りに行くといわれている。農家では、朝早く煮〆や乾いたシイタケ等、正月に供えたものを炊いて、オイブッサンに供えた。オイブッサンの弁当として餅を作ったり、山盛りのご飯を供えたりもする。弁当のお供えが遅れると、「遅い、遅い」とオイブッサンは、じだんだふんで待っていると古老は話す。
春の社日に田畑の見回りに出たオイブッサンは、秋の社日に家に帰ってくる。
社日について、野中地区では次のような話もあった。
オイブッサンは、田畑を守る野の神様である。春秋の社日に一日だけお迎えする。春の社日には、オイブッサンを野から迎え、ご馳走をお供えして、田畑がよくできるようにお願いをする。そして、オイブッサンは田畑を見回りに行かれる。秋の社日は五穀豊穣の感謝をする日であるから、田畑でとれたものでご馳走を作りお供えする。だから秋の方が盛んなのですよと古老は語る。
社日の行事は、現在では年寄りのいる家でするところがあるくらいでほとんどなくなっている。
春彼岸
彼岸には、各家庭で彼岸だんごを作り仏前に供える。また、早くから墓掃除をして、だんごを供えたり、シキミの花を飾って墓参りをし祖先の霊を祀る。
春彼岸前に新仏がある時は、新彼岸という法要を営んだ。