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伊予市誌

3 その他のセキツイ動物

 『愛媛動物誌』(昭和六・五・一〇発行・八木繁一著)のひきがえる科の項に付記として、ウシガエル(食用蛙)のことが次のように記載されている。
 「飼育ヲ中止セルタメ松山付近ノ池川等ニハ、所々二年々之ヲ見カケル、之ハ米国ロッキー山脈以東ノ池沼ヲ以テ原産地トス」
 伊予市でも食用蛙は大正の末期に現伊予農業高校で飼育していたが、大洪水のとき池がはんらんして河川に逃げ、それが繁殖したものであるという。いずれにせよ、昭和にはいってから異常な繁殖をしたものである。しかし、戦後アメリカ方面に食糧品として輸出が始まり、徐々にその数が減少して行った。元郡中中学校の近辺は低湿地であるためなんなく捕獲することができた。しかし、湿田が埋め立てられて住宅が建ち、池や水路が改修された現在では、その姿を見ることが難しい状態になった。生活排水や農薬などによる水質悪化も原因であろう。
 イモリは往時は多くの水田で一般的に見られたが、用水路の改修や農薬の使用など環境の変化によって谷川の清水にのみ生息するようになっている。