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伊予市誌

2 鳥類

 年々減少していく野鳥のために、いろいろな規制が設けられている。当地でも谷上山地区・行道山地区が一九七二(昭和四七)年度から三年間休猟区として規制を受けた。また、保護区として平岡・赤迫地区が指定された。現在伊予市ではほとんどの地区が狩猟はできないことになっている。休猟区設定と同時に谷上山・砥部・唐川地区に約五〇〇羽のキジが放鳥された。今その鳥がすくすくと成長してきている。
 この地区に生息しているもの、また飛来する野鳥としては、次のような種類があげられる。キジ・ヤマドリ・コジュケイ・マガモ・カルガモ・ヒシクイ・カイツブリ・ヒヨドリ・キジバト・ドバト・スズメ・メジロ・ウグイス・ヒバリ・ハクセキレイ・キツツキ・ツグミ・モズ・ムクドリ・カラス・ツバメ・イシタタキ・ヨタカ・フクロウ・トビなどである。何十年か前には、八幡池にもタシギ・ジシギなどが飛来していたことがある。またヨタ力は、先年何かの事故で傷ついているのを捕え、美しい斑点から同定した。ヒヨドリ・ホオジロは保護鳥であるため捕獲禁止になっているので、かなり繁殖しているようである。近年ミカンの収穫期には谷上山近辺の畑には群れをなして飛来し、被害を与えている姿を見かけた。県立自然公園である大谷池では、三月頃にマガモ・カルガモ・ヒシクイなどが群居しているのが見られた。昭和四七年末には日本自然保護協会の方によって四三羽が確認され、「愛媛野鳥を守る会」が「カモのねぐらを大切にしましょう」という運動をつづけている。しかし、大谷池は二〇〇三(平成一五)年からの改修工事のために水位が下がり、特に冬鳥の飛来地としての生態学上の価値が低下している。完工後以前のように回復するか懸念されるところである。