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わがふるさとと愛媛学Ⅲ ~平成 7年度 愛媛学セミナー集録~

◇伊予市八景と郡中八景

 まず初めに、伊予市八景について、選定に至った経過などをお話してみたいと思います。
 私たちは、伊予市という、古い歴史に育まれ、山あり、川あり、沃野(よくや)あり、海ありと豊かな自然に恵まれた、多くの景勝地を持っております。昭和の初期、伊予の漢学者、武智五友は、五色浜の郡中巷衢(こうく)創業原誌の中に、「思うに伊予郡の地は、広袤(こうぼう)数里、地勢平遠にして、稲田もっとも多くして、土壌衍沃(こうよく)なり。けだし伊予一州の美は、伊予郡に集まり、伊予一郡の美は今日の郡中に集まるなり。」と述べておられます。この碑は、五色浜にあります。
 さらに、中国の洞庭湖八景にならって郡中八景を選び、この八景を題材として、漢詩、短歌、俳句などを詠んでいたそうです。ちなみに、郡中八景を申し上げますと、南山積雪。米湊鳴蛙(めいあ)、これは、当時、米湊には非常に田んぼがたくさんあって、そこで蛙が鳴いている風景というようなものではないかと思います。また、谷上午鐘(たがみごしょう)。稲荷翠嵐(すいらん)。紫海夕照(しかいゆうしょう)、おそらく五色浜から眺めた夕映えの美しさなどを思ったのではないかと思います。萬安夜泊。湊浦漁戸(ぎょこ)。住吉松雨(しょうう)。と言うように、非常に情緒的なものでした。
 また、明治20年代には、有名な文学者、正岡子規、夏目漱石も、現在の伊予市上吾川を訪れ、素晴らしい作品を残しています。そこで私たちは、先人の志を受け継いで、伊予市制40周年記念行事として、改めて伊予市八景を選定し、広く各地から人々を伊予市へ招き、市の活性化と発展を図っていきたいと考え、各企業、団体、事業所などへ呼び掛けて、伊予市八景実行委員会を組織し、市民の皆様の投票によって新たに伊予市八景を選定いたしました。
 選定された伊予市八景は、つい先日(10月1日)発表になりましたので、皆さん方もよく御存じのことと思います。
 まず、五色浜。これは本当にたくさんの投票をいただいて選定されました。次に、大谷池と森林公園。谷上山。森の海岸と潮騒公園。稲荷神社と西権現山。伊予岡八幡神社。三秋(みあき)の大池と明神山。鵜崎(うのさき)峠と障子(しょうじ)山。以上です。