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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業21 ― 今治市① ― (令和3年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第1章 昭和の町並みをたどる

 今治(いまばり)市は平成17年(2005年)、旧今治市と朝倉(あさくら)村、玉川(たまがわ)町、波方(なみかた)町、大西(おおにし)町、菊間(きくま)町、吉海(よしうみ)町、宮窪(みやくぼ)町、伯方(はかた)町、上浦(かみうら)町、大三島(おおみしま)町、関前(せきぜん)村の越智郡11か町村が合併して誕生した。県北東部に位置し、高縄半島の東半分を占める陸地部と芸予諸島の南半分の島嶼(とうしょ)部から成っている。陸地部は東温(とうおん)市、西条(さいじょう)市、松山(まつやま)市に接し、島嶼部は上島(かみじま)町と広島県に面している。古墳時代の多くの遺跡の存在や古代に伊予国府が置かれたことが示すように、古くから瀬戸内海交通の要衝であり、東予地域の政治、経済、文化の中心地として発展してきた。タオル、縫製、造船などが地場産業として発展するとともに、平成11年(1999年)に瀬戸内しまなみ海道(西瀬戸自動車道)が開通し、中四国の交流、流通の拠点となっている。また、瀬戸内海の風光明媚(めいび)な景観と大山祇神社などの歴史遺産を誇る観光都市であり、日本有数の造船・海運都市である。
 本章では、合併前の今治市の中心商店街と桜井地区をそれぞれ取り上げ、昭和の町並みと人々のくらしについてまとめるとともに、町並みを復元し、当時のくらしの一端を明らかにした。