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今治市

今井久仁惠(1930~2011)

 ソプラノ歌手。昭和5(1930)年8月24日、今治市で生まれる。今治高等女学校(現、県立今治北高等学校)へ進学した後、音楽学校への進学を希望したが両親に反対される。
 この頃キリスト教に改宗した兄の影響で、今治カトリック教会へ出入りするようになり、サンタマリア神父に聖歌隊に誘われ歌の才能を認められる。そして、神父の世話によりスペインへ留学し、昭和28(1953)年、スペイン国立音楽大学に入学、ローラー・アラゴン女史に師事し4年の課程を3年で修了。大学主催のコンクールで「モーツァルト賞」及び「プリメル・プレミオ(1等賞)」を獲得して首席で卒業し、その後、スペインの声楽家の登竜門となるコンクールで特賞「ルクレシア・アラナ賞」を獲得した。この三賞を外国人が独占したのは今井久仁恵が初である。
 昭和32(1957)年、マドリードでデビューして絶賛を博し、翌年、イタリアのミラノに移り、エットレ・ベルナに師事した。昭和33(1958)年11月、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で、日本人で初めてプリマドンナとして歌劇「蝶々夫人」に出演し、一躍有名となった。以後も国内外で演奏活動を行い、特に“スペイン音楽の大使”として「日本・スペイン歌の協会」を設立してスペインの歌の普及に努めた。その功績により昭和61(1986)年、スペインから文化勲章が贈られた。(『愛媛人物博物館~人物博物館展示の愛媛の偉人たち~』より)

【追記】
 今井久仁恵墓所:キリスト教墓地(今治市近見町、近見小学校付近)

①生前愛用していたピアノ

①生前愛用していたピアノ

今治市北宝来町1丁目2-1