佐伯勇（1903～1989）

　プロ野球オーナー。実業家。周桑郡丹原町（現、西条市丹原町）出身。旧制松山中学校（現、県立松山東高等学校）を経て第三高等学校（現、京都大学）に合格。大正15（1926）年に、東京帝国大学（現、東京大学）法学部を卒業した。
　昭和２（1927）年、大阪電気軌道（現、近畿日本鉄道）に入社後、駅などの現場の仕事を経て、44歳で専務取締役、４年後には社長に就任。座席指定の特急や世界初の２階建電車を走らせるなど、新しいアイデアを生かした経営を進め、デパートやホテル、旅行業などにも取り組んだ。大胆さと慎重さを兼ね備えた勇は、近畿日本鉄道を日本屈指の大企業に育てた。、あた、大阪商工会議所会頭時代には、関西財界代表として中国を訪問し、日中国交回復の足がかりをつくった。
　一方、プロ野球球団・近鉄パールズ（現、オリックス・バファローズ）のオーナーを設立時から務めて、チームの強化とパ・リーグの繁栄に情熱を傾け、平成２（1990）年、野球殿堂入りした。（『愛媛人物博物館～人物博物館展示の愛媛の偉人たち～』より）