データベース『えひめの記憶』
久万町誌
四 久万町合併後の教育委員会 ①
昭和三一年一〇月一日から、新しい教育委員会制度を採用していた旧久万町・川瀬村・父二峰村が、昭和三四年三月三一日に町村合併し、新久万町の教育委員会として発足することになり、新しく教育委員が任命された。合併後の久万町では、旧町村の地域的人事の配慮のもとに、昭和三四年五月二六日付で、久万町長から新しい教育委員が任命された。
委員長には菅薫明か選ばれ、また教育長には小倉総一郎が就任した。旧町村の教育委員会はこの新しい教育委員会に事務引継ぎをして解散した。
こうして合併後の久万町教育委員会は発足し、学校教育、社会教育の振興、施設、設備の充実に努力し、今日に至った。
基本的な努力目標は次のとおりである。
〇教育尊重と教師の自覚
〇地域の実態に立ち、近代化に即応する教育
○人的、物的教育諸条件の整備
○学校教育、社会教育、家庭教育の一体化
〇全町的立場に立って政治、経済、教育、各機関の連絡を密にする。
一 昭和六三年度久万町教育行政の推進について
〈総 則〉
時代の急速な変化と内外における社会、経済環境のきびしさの中で、教育に対する要請と期待はまことに大きく、緊急かつ重要な国家的課題となっている。
今こそ、教育の本質と行政の本旨に則り、人類の平和と信頼の世紀ともいわれる二一世紀をめざして、不確実かつ激動の八〇年代を克服していくための教育的課題にあやまりなく対処し、「人間性重視」の教育活動の確立を期し、町民の期待にこたえうる教育の推進につとめるものとする。
一、基本方針
人間尊重の精神を基調として、生涯教育の理念に基づき、知・徳・体の調和がとれ、人間性豊かな国際的視野をもつ日本人の育成をめざし、地域の特性を生かしながら、家庭教青、幼児教育、学校教青、社会教育、社会体育、文化活動等、各分野にわたる教育行政を総合的に推進する。
特に、次代を担う健全な青少年の育成と増大する高齢者の生きがいづくり、地域文化の振興発展を図る。
近年、教育行財政をとりまく環境条件は、まことにきびしいものがあるが、国の教育改革の動向にも十分配慮しながら、県教育委員会・教育関係諸機関・団体等の連携を密にし、広く町民の理解と協力を得て、諸施策の積極的な推進に努める。
二、教育目標
教育基本法の本旨に則り、国家社会の有為な形成者として、平和と人権尊重の精神をつらぬき、自主・連帯を基調として、ふるさとのすぐれた伝統と先人の遺産を継承し、豊かな文化の創造と発展に貢献しようとする、心身ともに健康で愛郷心に満ちた町民の青成を期する。
(一) 正しく判断する力を養い、創造的知性を育てる。
(二) あたたかい心情を養い、豊かな人間性を育てる。
(三) 自主・自立の精神を養い、地域連帯性を育てる。
(四) つよい意思を養い、たくましい体力を育てる。
(五) 郷土を愛する心を養い、国際的視野に立った愛国心を育てる。
三、重点目標
(一) ひとりひとりをみつめ、豊かな人間性を育てる学校教育の充実
(二) あたたかい心のかよう、ふるさとづくりをめざす社会教育の推進
(三) 人間形成の基礎を育てる家庭(幼児)教育の振興
(四) 町民すべてがとりくむ、あたたかい同和教育の展開
(五) 町ぐるみでとりくむ、青少年の健全育成の推進
(六) 地域に根ざした個性豊かな文化の振興
(七) すべての町民が参加する体力づくりの推進
以上を柱とした、学校教育、社会教育、家庭教育がそれぞれの機能と役割りを果たしなから、三者一体となった教育的環境の整備と質の向上につとめ、総合的、組織的な教育活動の充実と振興をはかるものとする。
四、教育的姿勢と生涯教育の生活化
・教育的姿勢
(一) 教育には、愛情がなければならない。
(二) 教育には、情熱がなければならない。
(三) 教育には、希望がなければならない。
(四) 教育には、鍛練がなければならない。
(五) 教育には、継続がなければならない。
(六) 教育には、実践がなければならない。
(七) 教育には、評価がなければならない。
(八) 教育には、正義がなければならない。
(九) 教育には、公正がなければならない。
(一〇)教育には、みんなの参加がなければならない。
・生涯教育の生活化
(一) ひとり 一学 習
(二) ひとり 一活 動
(三) ひとり 一スポーツ 生涯教育
(四) ひとり 一工 夫
(五) ひとり 一奉 仕
〈学校教育〉
ー徳・知・体の調和のとれた人間形成をー
(幼稚園教育)
一、努力目標
幼推園は、基本的な生活習慣と正しい社会的態度を育成し、豊かな情操 と道徳性の芽ばえを育て、健全な心身づくりの基礎を養う。(三つ子の魂百まで)
二、努力点
(一) 健全な心身の育成と安全の確保
イ 集団生活による健やかな成長をはかる。
ロ 個性を尊重し、豊かな情操と道徳性を育てる。
ハ 適正な管理を行い、安全確保につとめる。
(二) 幼稚園教育要領の適切な実施
イ 健康・社会・自然・言語・音楽・リズム・絵画の各領域にわたり、調和のとれた学習計画を作成し、計画的指導にあたる。
(三) 研修・研究の継続と定着(教育は人なり)
イ 白己研修につとめるとともに、計画的な研究を推進する。
ロ 全町的な共同研究や他園との連けいにつとめる。
(小学校・中学校教育)
一、努力目標
学校教育は、生涯学習の基礎であるという観点を重視し、児童・生徒の発達段階の特性に応じて、徳・知・体の調和のとれた人間形成をめざして、特に、個性の尊重、基礎・基本の徹底をはかり、自己教育力の育成に努めるとともに、生徒指導・進路指導の充実、道徳教育、勤労体験学習、小規模校化に対応した協同学習の推進、基礎体力の向上及び健康・安全教育の保持増進に努力しなければならない。
このため、教職員の使命感・責任感の高揚と指導力の向上をはかり、教育内容の精選及び指導方法の改善を通して、ゆとりある、しかも充実した学校生活の実現に努める。なお、幼稚園・小学校・中学校・高等学校の一貫性の確立をはかるとともに、学校・家庭・地域社会間の連携の強化に努める。
また、社会教育との密接な連携のもとに、同和教育の深化と徹底を期する。さらに、教育の機会均等の確保を一層推進し、教職員の適正配置、施設・設備の充実等教育諸条件の整備充実を促進する。
二、努力点
(一) 豊かな人間性を育てる学校経営の創造
イ 創意ある教育課程の編成と実践の工夫
ロ ひとりひとりを伸ばす学習指導の充実と徹底
○ 児童・生徒の実態に即した学習指導の工夫
〇 基礎学力の定着のための工夫
・ 成就感や達成感を体得させる工夫
・ 学び方や考え方を育てる学習指導の工夫
・ 基礎的・基本的事項の徹底と可能性・創造性の開発
・ 学力・体力・しつけの関連性への配慮
○ 発達段階に応じ、やる気をおこさせる学習指導の徹底
○ 能力や特性を伸ばすための工夫
・ 低学年でつまづきの発見と指導の徹底
・ 課題解決のよろこびを持つ学習の工夫
・ 指導の成果を絶えず評価し、指導の改善を。
・ 体験学習によって学習への意欲づけと学力の定着を。
ハ 調和のとれた特色ある学校経営の創造
○ 学校の実態をふまえて研究目標の焦点化と具体化
・ 学力・体力・基本的習慣の実態の把握
○ 特色ある経営のための組織化と実践化
(二) 心身の障害に応じた教育の充実
イ 個に即した適正な就学指導
○ 障害に応じた正しい指導と研修
・ 個に即した指導のための教師の研修
口 幼児期からの早期発見の手だてと啓発活動の推進
(三) ひとりひとりを生かす生徒指導の徹底
イ 生徒の理解と教師の指導性の確立
○ 校内における個に徹した指導事例の研究
○ 指導態勢の共通理解
○ 生徒理解の研究と実践
○ 観察指導の充実(個人カルテの効果的活用)
○ 教科指導と生徒指導の一元化をめざす研究
○ 基本的生活習慣の徹底
口 地域ぐるみの指導体制の強化
(四) たくましい体力づくりの推進
イ 基礎体力づくりの徹底
○ 児童・生徒の実態をもとに体力づくりの計画と突践
口 保健・安全教育・学校給食の充実
ハ 幼・小・中一貫の性教育の深化徹底
○ 性教育の重要性の理解(教師・PTA)
○ 各校(園)での指導体制の確立
○ 指導の実践研究(カリキュラムの作成・指導時間・方法)
(五) 教育の本質に根ざした同和教育の創造的深化
イ 全領域での同和教育の徹底
○ 深く理解し合い、はげまし合う仲間づくり(人間尊重の精神)
○ 共感をよび突践力をつちかう同和学習のあり方
○ 資料ののぞましい活用
○ 個々の可能性を伸ばす指導
○ 自主協同の学習態度の徹底
○ 支えはげまし合う学級づくりを根底に
ロ 濃密な指導の効果的研究
○ 基礎学力の定着(チェックポイント、フィードバックを考えて)
ハ 教師の教育力を高める
ニ 児童・生徒の自覚・自立の基礎をつちかう
ホ 幼・小・中学校の一貫性と指導体制の確立
(六) 教師の使命感の確立と専門職としての自覚
イ 自己へのきびしさと専門職としての自覚
○ 教育公務員としての自覚と研修
○ 専門職としての積極的な研修
○ 一般教養を高めるための研修
○ 女子職員の研修
ロ 組織的・総合的な教育体制の確立
○ 学校経営の目標達成のための、秩序と調和のある組織強化
○ 教職員相互の連絡調整を密にし、一致協力して教育活動を推進
○ 学校としての主体性を保持しなから、家庭・地域の信頼・連け
いを密にする。
○ 地域活動・社会教育事業への積極的な参加
(学校・家庭・社会の教育力を高める。)
(七) 教育諸条件の整備と充実
魅力ある学級経営ー学級が子どもをつくる
○ 学級・学級経営とは
(一) 教師の姿勢と学級
(二) 教科指導とその技術
(三) 生活指導を楽しく
(四) 教室環境を明るく
(五) 父母や関係機関との連けい
(六) 効果的な事務処理
〈家庭教育〉
ーやさしさときびしさの中で、すこやかな成長をー
一、努力目標
青少年の健全青成のためには、人間としての成長の基盤である家庭において、乳幼児期から、子どもの成長・発達の過程に応じて、基本的な生活習慣と行動の節度を身につけさせ、活力のあるたくましい心身を培うことが大切である。また、自然への愛情や自他の敬愛の心を養い、生活や勤労に対する真剣な態度を体得させ、人権を尊重する青少年の育成に努めなければならない。
このため、家庭の教育機関や役割りを認識し、愛情と信頼に満ちた家庭づくりに取り組むよう啓発活動に努め、学習の機会や場の拡充をはかり、その積極的利用を促進する。
また、家庭・学校・地域社会並びに青少年育成センター・PTA等関係諸機関団体が一体となって、相互啓発活動の活性化をはかり、家庭の教育力をさらに充実伸長させる。
二、努力点
(一) 啓発活動の推進
イ 教育相談の充実
口 情報提供と学習資料の作成
(二) 学習機会の提供
イ 学習機会の拡充
口 学習内容の充実
(三) 学校・地域社会等との連携の強化
イ PTA活動の充実
ロ 自主グループ活動の充実
ハ 地域活助(愛護班等)の奨励
〈社会教育〉
ー生きがいとうるおいのある人生をー
一、努力目標
町民一人ひとりが、生きがいとうるおいのある、充実した人生を築くためには、生涯学習の観点に立ち、生涯の各時期のさまざまな課題に積極的に取り組み、自己啓発に努めるとともに、地域における諸活動に積極的に参加し、愛と奉仕の心に支えられた地域社会づくりに努力しなければならない。
このため、地域の実態と住民の要望に即した学習活動が展開できるよう、学習機会や場の拡充をはかり、情報の積極的な提供、学習内容、方法の充実など、生涯学習社会の基礎づくりに努め、社会教育関係団体等の育成強化をはかるとともに、特に、青少年や高齢者の社会参加を促進する。
また、学校や教育関係諸機関・団体等との緊密な連携のもとに、同和教育の推進と徹底を期する。さらに、指導者の養成確保と資質の向上や青少年教育施設・公民館等社会教育施設の整備充実に努める。
二、努力点
(一) 生涯教育の充実深化
イ 幼児教育・家庭教育の推進
・ 健全な家庭づくり教育の推進
・ 豊かな生活の実現を目ざした地域別・組織的学習活動
口 青少年教育の充実
・ グループ活動のためのジュニアリーダーの育成
・ 青年教育の振興をはかる各種学級・講座の開設
ハ 成人教育活動の拡充と推進
・ 成人教育の振興をはかる各種学級・講座の開設
・ 産業経済に関する育成教育活動
・ 町振興計画における教育活動の推進
二 婦人教育活動の推進
・ 婦人教育の振興をはかる各種学級・講座の開設
・ 婦人会員の増強と組織拡大
ホ 高齢者教育の充実
・ 高齢者教育の振興をはかる各種学級・講座の開設
・ 高齢者育成促進会議の開催
・ 高齢者人材活用事業への取り組み
へ 生涯学習情報の提供
・ 学習情報提供システムの整備
・ 諸施設との連帯強化
(二) 公民館活動の推進
イ 公民館(分館)活動の推進
口 生活と密着した地域活動の推進
(三) 同和教育の徹底深化
イ 町民のための同和教育活動
口 推進者養成などのための同和教育活動
ハ 同和教育資料の整備と地域素材の教材化
二 地城同和教育推進者制度の導入
(四) コミュニティ活動の推進
イ 他人に迷惑をかけない連帯意識を高める活動
口 町政・地域課題解決のための学習活動
ハ 町づくり、地域づくり懇談会の開催
二 生活学習・生活運動の推進
ホ 明るく正しい選挙推進の学習
へ 花いっぱい運動の推進
(五) 社会教育体制の充実
イ 社会教育・公民館・視聴覚教材施設の充実
口 民間指導者の養成と活用
ハ 社会教育関係役職員の研修強化
二 関係機関団体等の連携強化と組織拡大
(六) 青少年育成センター活動の推進
イ 協議会、研修会の開催
口 青少年健全育成事業の実施
ハ 青少年非行防止事業の実施
(七) 体力つくり活動の推進
イ 社会体育活動の奨励と条件整備
・ 社会体育参加人口の拡大
・ ファミリースポーツ・軽スポーツ活動の普及
・ 町民運動会の開催(町民大運動会・地区別)
・ 階層別体力つくり運動の推進
口 町民総参加の体力つくり活動の推進
ハ 生活環境づくり運動の推進
二 体力テストの実施
ホ 体力つくり推進協議会事業の突施
へ 体育協会の育成
(八) 安全教育の推進
イ 交通安全教育の推進
口 防災・防火に関する学習
(九) 芸術・文化活動の振興
イ 生活を高める文化活動の振興
・ 郷土を愛し、郷土のよさを知る学習活動の推進
・ 文化グループの育成
・ 文化協会の育成
・ 文化祭、各種芸能発表会の開催
口 文化財保護活動の充実
・ 文化遺産の保存と活用
・ 郷土芸能の伝承保存
・ 郷土資料の収集と郷土発刊図書の活用
(一〇)社会教育団体活動の推進と育成
(一一)図書館教育の推進
(一二)広報・公聴活動の推進
◎ 町づくり基本方針ー久万町振興計画
働きがいのある町づくり
良材と休養の町 住みよい町づくり
(みどりのふるさとづくり) 香り高い文化の町づくり
◎ 人間の持つよろこびの視点
① 発見のよろこび
② 創造のよろこび
③ 伝承のよろこび
④ 参加のよろこび
⑤ ふるさとを持つよろこび
町村合併後の教育費予算 |
任命制委員 1 |
旧川瀬村教育員会委員(選挙制) |
任命制委員 2 |
父二峰村教育委員会委員(選挙制) |
任命制委員 3 |
教育委員名簿(昭和三四年三月31日、久万町合併後) |
久万町教育委員会事務局機構(昭和43年度) |
教育委員会及び事務局機構(昭和63年度) 1 |
教育委員会及び事務局機構(昭和63年度) 2 |