データベース『えひめの記憶』
久万町誌
三 施設福祉対策
昭和二七年九月一五日、上浮穴郡内町村長会で上浮穴養老院組合立養老院設置の議案が可決され、同年一二月に厚生大臣に申請、二八年一一月に許可され、二九年六月久万町菅生に竣工し、七月一日開設した。
この養老院は開設当時は、一般の理解も乏しく、定貝三〇名に対してわずか二〇名前後の入所状況であった。
上浮穴養老院の施設概要
項 目
設 置 主 体 上浮穴養老院組合
事 業 開 始 昭和二九年七月一日
入 所 人 員 三〇名(昭和三〇・七・一より三三名)
(昭和四二・四・一より五〇名)
敷 地 面 積 一一五九平方㍍
建 物 面 積 五六二平方㍍
総 工 費 四四四万一五四六円
内 補 助 対 象 二四三万円
町 村 負 担 二〇一万一五四六円
増 築 年 月 日 昭和四二年三月三一日
増 築 工 事 費 八八五万二〇〇〇円
内補助対象 三五九万二〇〇〇円
町村負担 五二六万円
増 築 面 積 二二〇平方㍍(ブロック建築)
しかし、昭和三八年、老人福祉法が施行されてから名称も八月一日から上浮穴養護老人ホームと変わり、経済的理由のみでなくて精神的又は環境上の理由によって入所することができるように適用範囲も広がり、老人の福祉に重点がおかれるようになった。一方では、社会の理解も深まり、入所希望者も増加し、入所能力に不足をきたしたので昭和四二年三月、八八五万円余で居室を増築した。
更に急速に進行する人口の老齢に伴い多様化する生活環境の変化、老後生活上のニーズに対応するため、ケアを要する老人は所得のいかんにかかわらず、その心身の機能に応じ入所を希望する者も増加し、より快適な処遇を行うため、昭和五七年四月一日より現在の地に移転改築した。
町の中心部から少し離れてはいるか周辺は緑に囲まれ風光明媚で自然環境に恵まれている。名称も養護老人ホームささゆり荘と変更された。
現在の施設の概要は次のとおりである。
名 称 上浮穴郡生活環境事務組合養護老人ホームささゆり荘
種 類 老人福祉法による養護老人ホーム
所 在 地 上浮穴郡久万町大字菅生二番耕地六二六番地
設 置 主 体 上浮穴郡生活環境事務組合
運 営 主 体 (久万町、面河村、美川村、柳谷村、小田町)
規 模 構 造 敷地面積 六、〇六七平方㍍
建物面積 一、六二八、三七平方㍍
鉄筋コンクリート造平屋建
居室・集会室・廊下等床暖房
事 業 費 三三三、一〇〇千円
(補助対象 二七五、五七八千円)
付設作業所 建物面積 一〇五平方㍍
構 造 鉄筋コンクリート造平屋建
供用開始 昭和五七年一二月一日
定 員 五○名
現在、上浮穴郡各町村は高齢化が急速に進展し、六五歳以上の高齢者は、平成元年四月一日現在で四五六六名、高齢化率は二三・三七%に達している。したがって、ひとり暮しの老人は四二三名、ねたきり老人八〇名になっており、身体上又は精神上著しい欠陥があるために常時の介護を必要とする高齢者が年々増加しており、在宅だけでの介護が非常に困難になっている。このような情況の中で特別養護老人ホームの入所待機者は県下でも多い。現在、家庭において、一時的に介護できない場合「ねたきり老人短期保護事業」を進めている情況である。久万町でも特別養護老人ホーム設置の機運が高まり、設立の計画が着々と進められている。