明治天皇は明治四五年七月三〇日病篤く国民の祈りもかいなく崩御された。時に御年六一歳、慶応三年(一八六七)正月九日践祚されてから四六年七か月、日本の激動期において日本の発展のために終始されたのである。 国民はひとしくその皇恩を感じて一年間喪に服して歌舞音曲をさけた。 九月一三日は御大葬の儀が国民の悲愁の中に取り行われた。 七月三〇日皇太子嘉仁親王直ちに践祚されて元号を大正と定められた。