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愛媛県史 古代Ⅱ・中世(昭和59年3月31日発行)

あとがき

 愛媛県史四〇巻のうち、資料編「古代・中世」に引きつづき、今回、通史編「古代Ⅱ・中世」の刊行をみることになった。
 古代・中世の伊予国は多くの歴史事実に彩られている。これを学問的・体系的に記述することは極めてむずかしく、執筆にあたってはたびたび部会を開き、各自が持ち寄った素原稿を基礎として慎重な討議を繰り返した。しかし、記述内容の統一などには予想以上の苦労があった。この間、顧問の寶月圭吾先生(東京大学名誉教授)は御多忙中にもかかわらず、たびたび御来県下さり、御懇切な御指導を賜った。ここに心からお礼を申し上げる次第である。ただ私どもの非力のため十分に先生の御意図に添うことが出来なかった点お許しいただきたいと思う次第である。
 原稿作成にあたっては、厳密な史料批判を経た正しい歴史事実の上に立って行うよう留意した。史料・出典などについては、できる限りこれを明示し、特に資料編「古代・中世」に収録したものについては、その文書名と整理番号とをすべて記載することとした。したがって同書を座右に備えて本書を併せて読んでいただくならば理解はいっそう深まるものと思う。
 編集にあたった中世部会は、景浦勉(伊予史談会会長)が部会長をつとめ、構成員は次のとおりである。
  委   員    伊 藤 義 一    伊予史談会副会長
    同      岡 田 利 文    弓削高等学校教諭
    同      近 藤 孝 純    伊予史談会会員
    同      田 中 歳 雄    愛媛大学名誉教授
    同      村 上 和 馬    越智郡伯方町立有津小学校教諭
    同      山 内   譲    臨時県史編さん部員
    同      吉 本   拡    松山北高等学校教諭
  執筆協力者  石 野 弥 栄    東京都国学院高等学校講師
    同      白 石 成 二    今治工業高等学校教諭
 なお他の部会より次の方々の協力を得た。
  委   員    池 内 長 良    第一養護学校教諭
    同      越 智 通 敏    元愛媛県立図書館長
    同      和 田 茂 樹    愛媛大学名誉教授
 執筆分担は後記のとおりであるが、全体の調整には部会長があたり、編集作業は臨時県史編さん部の山内が担当した。執筆者が多いため、論稿にニュアンスの相違があることは止むを得ないとしても、調整にあたり執筆者の意見に反して重複個所を削除したり、難解の部分を平易に書き改めた個所のあることをお断りしておく。
 本書の刊行にあたり、資料の写真掲載を快諾いただいた京都府立総合資料館、京都府向日市教育委員会、京都市歓喜光寺、奈良国立文化財研究所、宮内庁正倉院事務所、山口県文書館、伊予史談会文庫をはじめ、各資料所蔵者、また写真を提供いただいた多くの方々に対して深く感謝の意を表したい。
   昭和五十九年三月
                        愛媛県史編さん委員会中世部会長 景 浦   勉