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愛媛県史 原始・古代Ⅰ(昭和57年3月31日発行)

三 各地域の状況

 弥生中期の位置

 弥生中期の時代はより稲作が普及した時期であるとともに、水田経営を経済的基盤として集落も大規模となり、それに伴って地域の統合が行われた時期でもある。中期前半は前期の文化を母胎として発展したものであって、瀬戸内海沿岸地方は若干の地域的変化は認められるものの、一つの大きな文化圏を形成していたことは、出土する土器の特徴からうかがうことができる。それが中期中葉以降になるとやや地域的分化が行われるようになる。しかし、本県の場合はその地理的環境から、同じ北四国の香川県や瀬戸内海を隔てた対岸の岡山・広島の両県、それに伊予灘・周防灘を隔てた山口県や北九州、さらに豊後水道を隔てた大分県との関連性が認められ、同じ瀬戸内海沿岸にあっても他地域とはその様相が異なり、複雑である。