データベース『えひめの記憶』
愛媛県史 民俗 上(昭和58年3月31日発行)
第四節 年 齢 集 団
性と年齢の違いは、人々の属性を判別するうえでもっとも確かな尺度であり、これを万人にあてはめていささかの狂いもない。それゆえ人々の社会的区分の要素となり、社会の秩序規制の基礎的原理の一つともなっている。家族というもっとも基本的な社会単位が、一組の男女の協力と分業と世代間の扶助を枢軸として成り立っているのも、それを示している。それゆえ日本の伝統的な村落生活における協同的枠組のうちにも、こうした関係に立脚する集団体系が久しく存在して、かなり重要な役割を演じてきた。もちろん全く個人的な選択による同輩の集まりもあるが、ここでは主として伝統的なムラの生活における協同の仕組みとしてのものを対象にする。そして、新しい性別、ないしは年齢別の集団なども、実はそうしたものの土台のうえに築かれたものが多いのである。