データベース『えひめの記憶』
愛媛県史 社会経済2 農林水産(昭和60年3月31日発行)
四 第二次開拓営農振興対策
第二次営農振興五か年計画
昭和三二年四月に制定された開拓営農振興臨時措置法に基づき、政府は振興計画の完成をおおむね五か年間としたが、開拓農民の努力にもかかわらず、経営改善は遅々として進まなかった。例えば、昭和三四年の時点で振興対策資金の総所要額は、全国で一三三億に対し、融資額は、一一%の一五億に過ぎなかった。それは、投資に見合う所得が確実でなかったためである。また、建設工事なども、あと五~八年間は必要であり、日暮れて道遠しの感があった。
そこで、昭和三五年七月二五日付け法律第一二七号で「開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律」が制定された。同法第九条の規定に基づき、開拓営農振興審議会が農林省内に置かれ、開拓営農に関する重要事項を調査審議することとなった。翌三六年一一月、同審議会の答申が出され、同答申により、開拓者を三種に類別し、営農振興の諸施策が進められることになった。
即ち
ア 営農が既存農家の水準に達した農家を一類とし、一般農政に
円滑な移行ができるようにする。(開拓の卒業生)
イ 営農は未確立であるが、意欲のある農家を二類とし、昭和三
八年から四二年までの五年間、各種の営農振興対策を進める。
(本県では、表2-7のとおり四四市町村で四三八戸を認定)
ウ 営農の確立の見込みのない農家を三類とし、離農を希望する
ものには、「開拓者離農助成対策」を講じ、負債償還の困難な
ものには、債務の履行延期や償還条件の緩和・減免の措置を
講ずることとした。