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愛媛県史 社会経済2 農林水産(昭和60年3月31日発行)

第二節 愛媛県の開拓俯瞰


 地域別開拓の特色

 愛媛県では、地形や気候が複雑多彩であるため、各種の開拓事業が早くから各地域で展開された。即ち、山地開墾による段畑造成、河川流域の洲の開墾、西条・周桑平野の燧灘沿岸の干拓に代表される干拓・埋め立てがある。
 地域別にみると、東予では河川扇状地の開田、干拓・埋め立て及び島しょ部の段畑造成。中予では河川扇状地の開田、山間部の谷底開田及び急峻な上浮穴地方の焼畑。南予では耕して天に至る段々畑と、盆地での開田及び山間部の山腹斜面開畑が特徴である。現況農地の原点は、愛媛県ばかりでなく全国的にすべて広義の開拓事業の成果によって、造成されたものであり、先人の尊い努力の跡が偲ばれる。