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愛媛県史 社会経済2 農林水産(昭和60年3月31日発行)

六 愛媛県青年漁業者連絡協議会・愛媛県漁協婦人部連合会


 愛媛県青年漁業者連絡協議会

 昭和四九年三月二九日に設立されたが、本協議会設立の直接の動機は、四八年に大きい社会問題になった水銀・PCB汚染とこれにひきつづき派生したオイルショックによる燃油と漁業生産諸資材の高騰に加え、消費者の魚離れに起因する魚価の低迷などのため冷えきった漁村経済の復興を図る必要があり、これに対処できる近代的な感覚と能力とを兼備した時代の先端をゆく青年漁業者の育成が急務となったことである。
 本協議会の目的は青年漁業者の自覚のもとに会員相互の連携と団結をはかることによって近代的な漁業経営に寄与することであり、会員は各地区毎に設立されている青年漁業者協議会で組織され、事務局は水産会館内に置き県漁連の指導部職員が担当している。
 主な事業として ①漁業技術及び経営研究発表大会の開催 ②親睦のためのソフトボール大会の開催 ③幹部研修会 ④漁業先進地研修 ⑤若い漁業者自主研修活動育成事業への助成(昭和五一年度より) ⑥毎年七月二○日に県下統一の海の清掃活動を実施(五三年度より) ⑦海難遺児募金運動の展開などを行ない、いずれも多大の成果をあげている。
 全国漁村青壮年婦人活動実績発表大会への年次別代表派遣者名、題名並びに歴代会長名を表10-27・表10-28に、会員組織の位置を図10-9に示す。

 漁協婦人部

 漁業協同組合への協力組織として婦人部活動を通じ「漁村婦人部相互の連帯を深め漁村帰人の文化の向上と漁家経済の安定を図り、豊かな漁村を築くこと」を目的として結成されたもので、県下では昭和二九年一一月川之江漁協婦人部の結成が最初である。年代別の結成状況をみると昭和二〇年代は川之江、上灘、明浜の三婦人部、三〇年代は三四婦人部、四〇年代は七婦人部、五〇年代は一六婦人部となっている。昭和五八年度現在東予地区は二六婦人部、中予地区は一二婦人部、南予地区は二二婦人部の計六〇婦人部が結成され漁協婦人部活動が活発に行なわれている。県下総体の結成率は約七〇%であるが、このうち南予地区は一〇〇%結成されている。
 漁協婦人部の事業活動は当初は組織の強化・貯蓄増強・漁協事業の推進に重点が置かれたが、昭和四〇年代にはこれに加え生産活動・生活改善・教育情報活動が加わり、五〇年代にはさらに海の汚染防止・健康づくり・若妻・リーダー育成、魚食普及、漁村青壮年グループとの連携強化などを重点項目として活動をつづけている。
 昭和三〇年四月県下各単位漁協婦人部の上部組織として、これらを会員とする愛媛県漁協婦人部連合会が設立され初代会長に今西サイ(深浦)が選出された。漁協婦人部、同連合会への対応として県に専任の指導主事が配置せられ、設立以来継続して積極的な指導が行なわれており、その発展に大きく寄与している。
 表10-29・表10-30は歴代会長並びに県下漁協婦人部結成状況である。

表10-27 全国漁村青壮年婦人活動実績発表大会代表者・題名

表10-27 全国漁村青壮年婦人活動実績発表大会代表者・題名


表10-28 愛媛県青年漁業者連絡協議会歴代会長

表10-28 愛媛県青年漁業者連絡協議会歴代会長


図10-9 愛媛県青年漁業者連絡協議会会員組織位置図

図10-9 愛媛県青年漁業者連絡協議会会員組織位置図


表10-29 愛媛県漁協婦人部連合会歴代会長

表10-29 愛媛県漁協婦人部連合会歴代会長


表10-30 愛媛県漁協婦人部名簿

表10-30 愛媛県漁協婦人部名簿