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愛媛県史 社会経済2 農林水産(昭和60年3月31日発行)

一 愛媛県漁船保険組合


 漁船損害補償

 漁船保険法は昭和一二年三月三一日公布、同年六月一日より施行されたが、これをうけて愛媛県漁船険組合が一四年一月二八日設立された。その後保険業務を実施してきたが、二七年三月三一日漁船損害補償法が漁船保険法に代わって新しく公布され同年四月一日より施行となり新制度が発足した。改正の主な点は①再保険事業の経費をすべて国庫負担とすることおよび義務加入制度を新設したこと ②漁船保険関係事務費の一部国庫補助が行なわれたこと ③漁船保険中央会の設立を法律に織り込んだこと等であった。
 設立当初の漁船保険事業成績は漁業者の認識もきわめて薄いうえ保険料率も高かったので非常に低調であり、その後も太平洋戦争の影響もあって衰退の一途をたどった。前記の新制度が二七年に発足してからは国からの多大の援助を得て次第に業務運営は健全性を持続し、さらに五六年一〇月一日より漁船損害補償法の一部改正が行なわれ漁船損害等補償法が施行となり五一年一〇月一日より漁船保険中央会において試験実施されてきた漁船船主責任保険・漁船乗組船主保険が新制度の中に組み込まれ、中央会の再保険責任のうえにさらに国が再保険することとなり一段と充実した制度となった。
 昭和五八年一〇月一日法律の一部改正があり、①漁船積荷保険の本格実施 ②満期保険・漁船船主責任保険・普通損害保険の充実が図られた。
 このようなことから五八年度現在まで保険加入隻数、契約金額とも漸増の傾向にあり組合の財務内容も良好に推移している。
 設立時(昭和一四年一月)の役員数は理事九名、監事三名で構成され、職員は県水産課書記四名が嘱託の形で任命されていた。歴代組合長名並びに新制度発足後(昭和三〇年三月)と現在(昭和五九年三月)の役員数、職員数、事業概況はそれぞれ表10-19・表10-20のとおりであり、現在漁船保険事業は政府の再保険事業を背景に漁船保険中央会及び全国五三の漁船保険組合によって運営されている。

表10-19 愛媛県漁船保険組合歴代組合長

表10-19 愛媛県漁船保険組合歴代組合長


表10-20 愛媛県漁船保険組合の役員数、職員数、事業概要(昭和29、58年度)

表10-20 愛媛県漁船保険組合の役員数、職員数、事業概要(昭和29、58年度)