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愛媛県史 地誌Ⅱ(東予東部)(昭和63年2月29日発行)

第一節 東予東部の区域


 東予の地域区分

 東予は中予・南予に対応する用語であり、愛媛県の北東部に位置し、燧灘および斎灘に面する地方(陸地部)と島方よりなる。東予を二地域に分け、便宜上東予東部と東予西部と称する。東予東部は、愛媛県行政上、宇摩生活経済圏と新居浜西条生活経済圏と称する二圏の区域である。東予西部とは今治生活経済圏と称する地域で、昨年度に地誌を出版したのである。
 本巻の東予東部編は、周桑以東の五市三町二村の区域を一巻とした。本巻は西からいえば、東予市・西条市・新居浜市・伊予三島市・川之江市の五市と、周桑郡の丹原町・小松町、宇摩郡の土居町・新宮村・別子山村の三町二村の区域である。
 東予地方の昔の宇摩・新居・周桑・越智の四郡の地域を二つに区分する場合、宇摩郡と新居郡、周桑郡と越智郡に分げる意見もあるが、私どもは周桑以東の三郡の区域を東予東部とし、昔の越智郡の区域を東予西部として一巻にまとめた。その理由は、道前平野(西条と周桑)を二分することは地理的に不自然なからである。今一つの理由は、地誌として解説する場合、新居郡など町村名がなくなり、西条市と新居浜市とに合併して、トピックが少ないからである。それに対して西部の旧越智郡は合併しても一市一〇町五村もあり、テーマが周桑以東に比して少なくないからである。
 明治二年(一八六九)出版の半井梧菴著の『愛媛面影』は五巻よりなっている。その巻一は宇摩・新居・周布・桑村の四郡よりなり、巻二は越智・野間の二郡より成っている。巻三は風早・和気・温泉の三郡、巻四は久米・伊予・浮穴・喜多の四郡、巻五は宇和郡を当てている。その点、東予を二つに分けた場合、現在の今治市・越智郡を一巻にするに対して周桑以東を一巻にするのは、偶然、私どもの地域区分と一致する。
 愛媛県教育委員会が昭和五四年に発行した『えひめのふるさとこみち』をみると、東予編その一、その二を、偶然本巻と同じように区分している。道前平野(周桑・西条)は一つの地理的単元なので、これを周桑分と西条分に分割することは、行政区の境界としては、やむを得ないにしても、地誌として分けて論述することは拙いと思う。