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愛媛県史 地誌Ⅰ(総論)(昭和58年3月31日発行)

四 水産業の地域性

 愛媛の漁業区

 愛媛県は海岸の延長一五六一kmで全国第五位であり、水産業は全国屈指の地位にある(表4―20)。特に宇和海沿岸は平安末期のころからイワシ網があったといわれ、藩政時代は西国第一の好漁場として知られていた。
 本県の漁業は、一般的に、宇和海を擁する太平洋南区と伊予灘、燧灘からなる瀬戸内海区の二つの海区に分けられる(図4―36)。太平洋南区にはリアス式海岸特有の入江を利用したハマチ(ぶり)・真珠などの養殖のほか、沖合・遠洋漁業の根拠地として、八幡浜港のトロール漁業、三瓶港のマダロ漁業、中浦港のイワシ巻網漁業、深浦港のカツオ一本釣などがある。
 瀬戸内海区の伊予灘は、小型機船底曳網漁業を中心とする漁船漁業が主体であり、燧灘は小型機船底曳網漁業を中心とする漁船漁業と、ノリ養殖業が盛んである(表4ー21)。


表4-20 愛媛県水産業の地位

表4-20 愛媛県水産業の地位


図4-36 愛媛県の漁業地域区分

図4-36 愛媛県の漁業地域区分