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愛媛県史 地誌Ⅰ(総論)(昭和58年3月31日発行)

1 小型底曳網

 小型底曳網のおこり
 
 大型の打瀬網は岡山県の日生村で近世末期に考案されたもので、幕末には燧灘に数十隻も出漁したほどである。
 底曳網は船の大きさ一五トンを境として、それ以上を中型底曳網、以下を小型底曳網といっている。これらは認可漁業で、前者は農林水産大臣、後者は知事の認可を必要とする。また、瀬戸内海という限られた海では、資源保護の立場から、小型底曳網で使用できる船の馬力数も一〇馬力以下に制限されている。
 小型底曳網の漁獲量は七月ごろから一〇月にかけて多く、そのうち七・八月ごろはエビなどの水産動物平貝類が多い。九・一○・一一月には魚類が多くなり、一月から三月ごろにかけて漁獲は少なくなる。エソ・アナゴなどは一二月から一月にかけて多くなる。小型底曳網は全体としてエビ類を第一の漁獲対象にしているが、年々良質のエビからヨシエビのような雑エビヘと漁獲の中心が移っている。
 愛媛県における小型底曳網の経営体数は、昭和二九年九〇二、五三年一三三と二五年間に四三一も増加している。