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愛媛の祭り(平成11年度)

第1節 伝統を守って

 愛媛に伝わる村芝居や祝福芸、人形浄瑠璃(じょうるり)などの舞台芸能は、時代とともに衰退や変容を見せながらも、それぞれの地域の人々の多くの共感を得て保存伝承されてきた。
 本節では、その保存伝承にかかわる人々の活動の様子を取り上げ、これからの舞台芸能の保存伝承に対する取り組みの在り方や人々の思いを探った。
 「1 村芝居を続けて」では、村芝居として地域を挙げて取り組んできた川之江(かわのえ)市川滝(かわたき)町の奉納芝居を取り上げ、村芝居の復活にかけた思いやその保存伝承活動を明らかにし、奉納芝居と地域とのつながりの経緯を探った。また、即興芸であるにわか芝居として県下で唯一のものとなった越智郡朝倉(あさくら)村のにわかを取り上げ、中断や再開を繰り返しながら保存会結成に至った経緯とその後の活動、さらには村人とのかかわりを探った。
 「2 幸を祝う芸を伝える」では、愛媛の祝福芸の代表として松山市や北条市に伝承されている伊予万歳(まんざい)を取り上げ、その保存伝承活動を探った。また、郷土歌舞伎を今に伝える東宇和郡宇和(うわ)町・南宇和郡西海(にしうみ)町の三番叟(さんばそう)を取り上げ、地方に伝わる祝福芸の様子と人々の思いを探った。
 「3 木偶(でこ)人形に心をこめて」では、淡路(あわじ)人形浄瑠璃を今に伝える一座として有名な松山市の伊予源之丞(げんのじょう)を取り上げ、保存伝承活動を探った。また、西宇和郡三瓶(みかめ)町の朝日(あさひ)文楽を取り上げ、文楽会館を中心に町を挙げての取り組みの様子を、さらに、北宇和郡広見(ひろみ)町の鬼北(きほく)文楽を取り上げ、浄瑠璃語りを中心とした人形浄瑠璃の復活を目指した取り組みの様子や人々の思いを探った。