データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

愛媛の祭り(平成11年度)

第3節 力と技を楽しむ

 祭りに伴う行事の中には力や技を受け継ぐものも多い。本節では、海・土俵・参道を舞台として、繰り広げられる行事を取り上げ、力や技の視点に立って、それぞれの特質を探るとともに、それらが地域の祭りの中で人々のくらしにいかにかかわってきたか、その様子やそれを受け継いできた人々の思いを探った。
 「1 海を舞台に」では、越智郡大三島(おおみしま)町宗方(むなかた)の櫂伝馬(かいでんま)と北条市の櫂練りを取り上げ、勇壮で、力強く波を蹴(け)立てて進む櫂伝馬の漕(こ)ぎ競(くら)べと、華やかに繰り広げられる海上の練りの様子を追い、これらの行事に託された人々の思いを探った。
 「2 土俵を舞台に」では、大三島町にある大山祇(おおやまずみ)神社の一人角力(ひとりずもう)と東宇和郡野村(のむら)町の乙亥(おとい)相撲を取り上げ、全国でも珍しい稲の精霊を相手の神事角力の様子とプロとアマとの対抗にまで発展してきた願(がん)相撲の由来や取り組みの様子を追い、それらを支えてきた人々の思いを探った。
 「3 参道を舞台に」では温泉郡重信(しげのぶ)町牛渕(うしぶち)の秋祭りのお練りと越智郡菊間(きくま)町のお供馬(ともうま)とを取り上げ、古式豊かに練り歩く神輿渡御(みこしとぎょ)に伴う行列の様子と稚児と馬とが一体となって参道を駆け抜ける様子を追い、それらの保存伝承に取り組んでいる人々の思いを探った。