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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業Ⅷ -新居浜市-(平成27年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第2節 島のくらしを支えた渡海船

 大島(おおしま)と本土側の黒島(くろしま)の約2.5kmを結ぶ渡海船の航路は、大島に住む人々にとって生活の上で欠くことのできない航路である。旧大島村時代の渡海船は村営であったが、昭和28年(1953年)の新居浜(にいはま)市との合併に伴い新居浜市に引き継がれた。昭和36年(1961年)の渡海船の状況は、保有船数が渡海船2隻と伝馬船1艘(そう)で、年間の輸送人員は147,054人であった。現在は「くろしま」と「おおしま7」の2隻の渡海船が、大島と黒島の間を所要時間15分、1日15往復で運航しているが、輸送人員は減少傾向にあり、平成26年度(2014年度)の年間輸送人員は124,976人であった。平成23年(2011年)に就航した「おおしま7」は、運行情報モニターなどの最新の航海機器が装備されるとともに、バリアフリー化に対応した構造となっているが、「おおしま7」の就航に伴い、それまで運航していた「おおしま」は、東日本大震災で被災して船舶を失った大島汽船(宮城県気仙沼(けせんぬま)市)に無償譲渡された。 
 大島の人々のくらしを支えた渡海船について、大島で生まれ育ち、現在もくらしているAさん(昭和5年生まれ)、Bさん(昭和15年生まれ)から話を聞いた。