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愛媛のくらし(平成10年度)

第1節 家族のきずな

 本節では、家庭生活が家族のきずなに支えられ、それぞれの家のしきたりを残しながらも、社会の変化に対応して、どのように変わってきたかを、住まい、神仏祭祀、主婦の役割という視点から探りながら、愛媛の人々のくらしの一端を明らかにしようとした。
 「1 住まいと家族」においては、家族のくらしの変化を住まいとのかかわりでとらえようとした。「(1)母屋を譲る」では、隠居制の慣行が残る地域の一家のくらしぶりを母屋とヘヤ(隠居所)という観点からとらえ、「(2)わが家の日常空間」では、生活様式の変化に伴う家の改築に目を向けながら、日常のくらしの移り変わりを探ってみた。
 「2 祖先と共に」においては、祖先とのつながりを大切にしている家族の姿を追い求めた。「(1)日々の祈り」では、くらしに溶け込んでいる神仏祭祀の実状を明らかにし、「(2)迎え火・送り火」では、家庭で行われる盆行事を民俗的な観点からとらえるとともに、祖先の供養に見られる家族の思いも探ろうとした。
 「3 主婦の座」においては、宇摩(うま)郡別子山(べっしやま)村の主婦の姿を浮き彫りにしようと試みた。「(1)過疎の村で」では、家族を支えながら、村のくらしの変化と共に生き抜いてきた彼女たちの生きざまを追い求め、「(2)姑(しゅうとめ)から嫁へ」では、昔のくらしを追いながら、先代から受け継がれてきたくらしの知恵の一端をとらえようとした。