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愛媛のくらし(平成10年度)

第3節 年輪を重ねる

 本節では、愛媛に生を受けそこで成人した人々が、よき伴りょに巡り合って家庭を築き、そして人生を輝かせながらその終えんを迎えるまでの期間に焦点を当て、高度経済成長などによる生活環境の変化に伴った人生儀礼のしきたりの移り変わりと、それにかかわってきた人々の思いを探った。
 「1 新しい門出」では、結婚において、個人の意志よりも家同士の結び付きが重視されたころの婚姻儀礼の様子を浮き彫りにしようとした。
 「2 一家の柱」では、昭和30年代までを中心に、家の継承と永続のために課せられていた一家の主(あるじ)の義務と、その親を見送る弔いのしきたりの一端を明らかにしようとした。
 「3 豊かな晩年」では、古くから伝承されている厄はらいや長寿を願う慣習のようすを明らかにするとともに、人生80年時代における豊かによりよく生きることの意味を探ろうとした。
 なお、調査対象地については、県内全域を満遍なく調査することは、かえって調査の目的をあいまいにするとともに、本報告書の他の章や節の記述内容との重複も生じるので、それらを避けるため、東・中・南予などのバランスを考慮して、宇摩(うま)郡土居(どい)町、温泉郡中島(なかじま)町、喜多(きた)郡河辺(かわべ)村の3町村を、節全体を通した重点調査地とした。