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愛媛のくらし(平成10年度)

本書のねらい・凡例

1 日 的
  この調査研究は、永い伝統を引き継いで、激動の昭和を生き抜いてきた人々のくらしに焦点を当て、そのくらしに学ぶとと
 もに、ふるさと愛媛の優れた地域資源を掘り起こし、今後の愛媛の歩むべき方向を探ろうとするものである。また、県民だれ
 でも参画でき、しかも人文・社会・自然の各分野が協力して総合的・学際的な調査研究を行う愛媛学の構築も併せて目的とし
 ている。さらに、その成果は、県下各地で行われている生涯学習において広く活用するとともに、愛媛学の普及・啓発に資す
 るものである。

2 本年度のテーマ
  「愛媛のくらし」

3 テーマ設定の理由
  生活環境の変化や核家族化の進行などに伴い、日々のくらしの舞台である家とその周辺から伝統的な地域文化が失われつつ
 ある中で、今日まで、それを支えてきた人々のくらしぶりや生活態度を見つめ直すことにより、伝統に根ざした新しい愛媛の
 くらしの創造を図るために選定した。

4 調査対象地域
  愛媛には、県内各地にさまざまな生活様式や年中行事、通過儀礼、地域共同組織などが見られるが、その中から東・中・南
 予、都市部・山間部、農山村・漁村等のバランスを考慮して、29の市町村を調査対象地域とした。
   【関係市町村】
     新居浜市、伊予三島市、東予市、土居町、別子山村、朝倉村、伯方町、魚島村、大三島町、松山市、北条市、
     中島町、小田町、砥部町、広田村、中山町、双海町、宇和島市、八幡浜市、河辺村、瀬戸町、宇和町、城川町、
     吉田町、三間町、日吉村、内海村、城辺町、一本松町

5 調査研究の視点と特徴
  今回の調査の視点と特徴を箇条書きすると、次のとおりである。
(1)愛媛の伝統的な地域文化と深くかかわり、それを支えながら昭和を生き抜いた人々のくらしに焦点を当てて調査研究し
  た。時代的には昭和が中心で、人々のくらしに学ぶという視点から調査した。
(2)現地調査を重視し、生活者の生の声を大切にし、既存の資料に依存することなく、できるかぎりオリジナルな資料をもと
  にまとめるよう努力した。
(3)今回の調査では、「ふるさとの四季のくらし」「人の一生」「家の内・外」の3つの視点からアプローチを試み、内容の
  深化を図るとともに、伝統的な地域文化とくらしのかかわりを総合的に明らかにするようにした。
(4)既存の学問(歴史学、地理学、民俗学等)の調査方法にとらわれないで、より総合的・学際的に調査しようと試みた。
(5)生涯学習の一環として、県民の皆さんがふるさとの地域調査に気軽に参加していただくために、「聞き取り-語り」を重
  視してまとめた。

6 調査研究方法
(1)文献調査に偏らず、聞き取り調査や実踏調査など現地調査を重視した。
(2)自然科学・人文科学・社会科学等の枠を越えて、学際的なアプローチをした。
(3)学識経験者のみならず、実際に地元で生活を営んでいる方々の協力を重視した。

7 協力者
(1)松友孟先生(愛媛県社会経済研究財団専務理事)には、愛媛学の基本的な考え方と、この調査についての全体的・総合的
  な指導をいただいた。
(2)横飛信昭先生(松山東雲女子大学教授)には、調査の計画や方法及びまとめ方等について指導をいただいた。
(3)昭和を生き抜いた人々のくらしの調査には、聞き取り調査や実踏調査に約150人の方々に協力いただいた。
(4)調査対象の各市町村や教育委員会には、聞き取り対象者の選定や関係市町村の資料の収集などの協力をいただいた。


【凡 例】
 ① 本書は、平成10年5月から平成10年12月にかけて実施した現地調査を中心にまとめたものである。
 ② 聞き取り調査の対象者は、該当市町村(教育委員会)との協議をもとに、選定したものである。
 ③ 本文については、常用漢字や現代仮名遣い、新送り仮名の使用を原則としたが、歴史用語・専門用語等については例外と
  した。
 ④ 本文中の年代表示は、和暦に(  )書きで西暦を示した。
 ⑤ 本文中の生物名及び民俗学用語は、原則としてカタカナで表示した。
 ⑥ 本文中の単位は、℃、%、kg等で表示した。
 ⑦ 地名は原則として、その当時の用例に従ったが、必要に応じ現在の地名を示した。
 ⑧ 参考文献等は、各節末にまとめて記載した。