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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業Ⅴ -愛南町-(平成25年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第3節 由良半島の道路とくらし

 由良半島(ゆらはんとう)は、宇和島(うわじま)市津島(つしま)町と南宇和(みなみうわ)郡愛南(あいなん)町との境界をなす、宇和海(うわかい)南部に突出した半島である(図表3-3-1参照)。愛南町側には東から平碆(ひらばえ)、家串(いえくし)、油袋(ゆたい)、魚神山(ながみやま)、網代(あじろ)の各地区が立地しており、江戸時代から漁業を中心とした生活が営まれ、昭和30年代までは、イワシ網漁と「耕して天に至る」と称された段畑での麦、イモ(甘藷(かんしょ))の二毛作との半農半漁の形態がとられていた。
 由良半島はかつて、道路や水の事情がよくなかったことから「陸の孤島」と呼ばれたこともあったが、道路事情については、昭和27年(1952年)から昭和31年(1956年)にかけて行われた家平(いえひら)トンネルの掘削事業や、昭和30年代前半に実施された失業対策事業による道路建設などで地元の人々の尽力があり、大幅に改善された。また、水事情についても、昭和56年(1981年)に山財(さんざい)ダム(宇和島市津島町)からの通水が実現し、解決した。
 本節では、戦後から昭和40年代までの由良半島における道路や水にまつわる人々のくらしに着目し、家串ではAさん(昭和2年生まれ)、Bさん(昭和10年生まれ)、Cさん(昭和25年生まれ)、油袋ではDさん(昭和10年生まれ)、魚神山ではEさん(昭和7年生まれ)、Fさん(昭和8年生まれ)、Gさん(昭和9年生まれ)、Hさん(昭和9年生まれ)、Iさん(昭和10年生まれ)、Jさん(昭和10年生まれ)、Kさん(昭和12年生まれ)、Lさん(昭和12年生まれ)から、それぞれ話を聞いた。


図表3-3-1 由良半島

図表3-3-1 由良半島