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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業Ⅴ -愛南町-(平成25年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第4節 一本松の町並み

 愛南(あいなん)町一本松(いっぽんまつ)地域(旧一本松町)は、愛媛県の南西端にある南宇和(みなみうわ)郡の東部に位置し、東側はその北端を古くから山岳信仰の霊地として知られる篠山(ささやま)(標高約1,065m)の頂上で隔て、篠川(ささがわ)の流れに沿って高知県宿毛(すくも)市に接する「県境の町」である。南北に長い一本松地域は、中央部やや南寄りに標高約90mの盆地が開け、南端には200mから300mの山々が愛南町城辺地域との境となって東西に延びる山間地帯であり、農林業を主な産業としている。
 明治22年(1889年)に施行された町村制によって、満倉(みちくら)村、中川(なかのかわ)村、小山(こやま)村、広見(ひろみ)村、増田(ますだ)村、正木(まさき)村の6村が合併して一本松村が生まれ、旧村名を残した6大字で編成された。そして、中川、広見、増田の接する村境(むらざかい)に形成された一本松町場(まちば)(以下、「一本松」と記す。)に役場が置かれ、それ以降この町場は発展し、昭和37年(1962年)に町制を施行して一本松町となり、平成16年(2004年)の合併で愛南町となってからも、一本松地域の中心地である。
 一本松の昭和30年代から40年代ころの景観やくらしについて、Aさん(昭和3年生まれ)、Bさん(昭和5年生まれ)、Cさん(昭和21年生まれ)から話を聞いた。