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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業Ⅴ -愛南町-(平成25年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第2節 中浦の町並み

 愛媛県から南へ向かって太平洋に突き出る半島の一部は、西へも分かれて半島を形成し、御荘(みしょう)湾を抱く地形になっている。この湾の南岸にある最も大きな集落が中浦(なかうら)である。中浦は、湾口に近いリアス海岸のくぼんだ湾の奥にあって、東は穏やかな海、北・西・南の三方は標高約140mから約230mの連山に囲まれている。漁業が盛んで、県内最大のまき網漁の漁業基地があるが、中浦に本拠を置く水産会社は、東シナ海や日本海、太平洋で事業を展開しており、中浦港など町内の港への水揚げはほとんどない(①)。中浦は、西海地域、とりわけ船越地区との関係が深かった。また御荘平城(みしょうひらじょう)への往来は、かつては海上交通が主で、陸上交通は昭和20年代に整備が始まった。