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愛媛の技と匠(平成9年度)

2 キュポラのある風景

 溶けた金属を、砂や金属で作った型のなかに注ぎ込んで、固まった後に取り出して仕上げ、必要な形にすることを鋳造(ちゅうぞう)といい、できたものが鋳物(いもの)である。
 歴史の伝えるところによると、鋳物の製造は、紀元前3,500年ころ、メソポタミア地方で始まったといわれ、古くから農耕具や祭礼、日常用具、また時には兵器具として人間の生活に深いかかわり合いを持っていた。我が国においては、今から約1,300年前に河内(大阪府)、大和(奈良県)地方において作られはじめたと伝えられている(③)。
 近年、鋳物の生産技術は大きな進歩を遂げ、船舶、航空機、自動車用部品をはじめ工作機械などに広く使われている。鋳物は、現代生活を根底から支え続けているといえよう。