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愛媛の景観(平成8年度)

第3節 ふるさとの川や池

 「うさぎ追いしかの山、小ぶな釣りしかの川、‥・」人々の心に残るふるさとは、いつまでも変わることがない。ふるさとの恵まれた自然と人々のくらしとのかかわりは、余りにも身近過ぎて、そのささやきを顧みなかったきらいがある。いま一度そのくらしと美しい流れのある風景に焦点を当ててみた。
 「1 渓谷に生きる」では、険しい山と黒川の深い渓谷を財産として生かしながら、自然との共生を図ってきた上浮穴(かうみうけな)郡柳谷(やなだに)村の移り変わりを追い、上流の川沿いにひっそりとたたずむ、かっての焼畑村のくらしを探ってみた。また、四季の彩りを映す小田深山渓谷をふるさととし、深山の国有林とともに生きてきた人々のくらしを追った。
 「2 平野を潤す」では、山間の峡谷を曲流してきた重信川は広い平野に出た途端砂礫(されき)を堆積(たいせき)して扇状地を形成し、表流水は大畑(おおはた)の扇頂から伏流し水無川となる。その水の行方を追うとともに、扇端部の泉から湧出する水とくらしとのかかわり、変ぼうしていく泉と井手の姿を探ってみた。また、平野の各地に見られる溜(ため)池は、稲作文化の歴史であり、ふるさとのくらしの歴史でもある。その文化遺産にも光を当ててみた。